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第27話 スーパーダーリン

「湊、無事に推しのアクリルスタンド買えて良かったね」 「良かった!これ部屋に飾って、毎日挨拶する」 「挨拶するんだ」 「なんだよ、いいだろ」 「湊がちゃんとオタクなの何かおもしろいよね」 「だって、めっちゃ強くてめっちゃ美人なのに、普段は目立たないように顔を隠してるっていうギャップがね、もう…」 推しはゲーム内で1位2位を争うほど人気がある女性キャラだ。 それなのに、話しているとなんだか憂太と属性が重なっているような気がしてきた。 憂太のことが好きだからこのキャラが好きなのか、キャラが好きだから憂太に惹かれたのか…。 我ながら馬鹿だなと思っていると、隣にいた憂太が目の前にスマートフォンを差し出してきた。 画面には映画館の座席が表示されていた。 「映画、観て帰るよね?」 「え、うん、観る!」 「じゃあ17時15分からの回で良い?どこ座りたい?」 「えっとー」 手際良く映画を2人分予約して、さらに座席の希望まで聞いてくれている。 「(うわー、こういう出来る男性のことをなんて言うんだっけ?スーパー?ハイパー?)」 「ね!どこ座りたい?湊?」 憂太がスマホ越しに顔を覗き込んできた。 「うわぁ、スーパーダーリン!」 「スーパーダーリン?」 思ってもなかった回答に憂太が目の前でキョトンとしている。

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