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第5話*
「ちっ……! いいよ、それならオレは圭太の処女をいただくからな」
「っ、ふ……んんっ!」
たっぷり舐められて緩くなってきた後孔に、つぷん、と指を差し込まれてしまう。硬い器官をより念入りに解すべく、ぐちゅぐちゅと中を掻き回された。
下肢を弄られる感覚が苦しく、思わず竜也のものに歯を立ててしまう。
「いてっ……! ちょっと剛志くん、なに乱暴してるのさ? 圭ちゃん、苦しがってるじゃない」
「悪かったな。でも、ちゃんとここで解しておかないと後でもっと辛いことになるだろ」
「剛志くんはやり方が下手くそなんだよ。強引にすればいいってもんじゃないんだから」
「んんぅ……!」
一端引かれた性器を、再び喉奥までねじ込まれる。
強引なのはどちらも同じだ。剛志も竜也も昔からやや押しが強い。なんだかんだで押しに弱く、二人に振り回されがちな自分とは正反対だ。
ただ、二人の強引さをどこか心地よく感じている自分がいるのも、また事実だった。苦痛から滲み出てくる快楽を受け入れ、味わっている自分も否定できない。
その時、カチッと時計の針が鳴った。ふと壁時計を見上げたら、ちょうど六時半を過ぎていた。花火開始まであと三十分しかない。
「ううっ……!」
首を思いっきり振って竜也を口から吐き出すと、圭太は口早に叫んだ。
「強引でいいから早くしてくれ! 花火に間に合わなくなる!」
「なんだ、圭太。そんなに祭りに行きたいのか?」
こくこくと頷いたら、剛志が「へぇ?」と片眉を吊り上げた。
「確かにお前、昔から夏祭りにだけは行きたがってたよな。他の場所に出掛けるのは消極的なくせにさ」
「確かに。圭ちゃん、昔からインドア派であまり外に出たがらなかったもんね。でも夏祭りだけは特別だった。なんで?」
「それは……」
別にたいした理由はない。小学校二年生の時にこの町に転校してきて、最初にできた友達が剛志と竜也だったこと。彼らと最初に遊びに行った場所が、地元の夏祭りだったこと。自分にとっては何より思い入れがあること……ただ、それだけだ。
年に一度でいいから、思い出の場所を三人で巡りたいだけだ。
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