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第10話

   ※   ※   ※  次の日、学校から帰って夕食前にマッチングアプリ、ハッピー☆ゲートを開いた。  俺のマイページにエクスクラメーションマークがついていた。  俺のプロフィールを見て、いいね、を押してくれた人がいるらしい。確認していみると『セクシー大根』というアカウント名だった。  『セクシー大根』さんからはアプリ内の機能を使ってメッセージも送られていた。 セクシー大根『はじめまして。りくや君は大学生ですか? 東京近辺住み? 自分は会社員で25歳です。176・67 アプリに写真は載せてませんが、芸能人では北村匠海とムロツヨシに似てると言われます』  北村匠海とムロツヨシ、どっちなんだ。どういう割合なんだ。めっちゃ気になるじゃないか。  見ず知らずの人とやりとりするのはまだちょっと怖かったが、せっかくメッセージをもらったのでとりあえず無難な返信を打ってみる。 りくや『プロフにいいねしてくれてありがとうございます。18歳ですが、まだ高校生です』  しばらくして返信が来た。 セクシー大根『高校生? じゃ、受験生ってこと?』 りくや『いえ、系列大学に内部進学することになってるので、そんなに勉強を頑張る予定はないです(笑)』 セクシー大根『そっか。でも実家だよね。夜のおでかけはちょっと難しいね。一度会ってお話してみたいけどどうですか? もし大丈夫そうなら、来月の味スタのFC東京戦、観戦に行きませんか。自分はファンクラブ会員なんで、ちょっといい席ご用意できますよ』  魅力的なお誘いだ。 セクシー大根『りくやくん、出会い系とか慣れてないっぽいから、まずは昼間一緒に遊ぶようなデートから始めてみませんか』  メッセージで見る限り、『セクシー大根』さんは、紳士っぽい印象だ。

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