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第9話 〜適性〜

「っつ…」  指が入った瞬間に、背中がゾクゾクっとしててつやは身をすくめた。  近場のラブホテルは、回転率がいいのか、もしくは人気があるのか、綺麗で設備も充実していた。てつやは初めてのことでどうしていいか全くわからなく、丈瑠に任せきりでいる。  お風呂場にはローションも常備されており、今2人は、キスをしながら抱き合ってシャワーを浴びていた。  丈瑠はローションを手に取り手のひらに塗り広げると、キスはそのままでてつやのバックに手を伸ばす。  一瞬あのカマ野郎の手を思い出したが、触り方がまるで違って丈瑠(たけ る)は優しくお尻をなでそしてゆっくりとその奥へ指を忍ばせていった。  最初こそその周囲を触られているだけだったが、丈瑠の指はゆっくりと中心を定め、徐々に中へとめり込ませてゆく。  丈瑠は丈瑠で、3本の指が無理だったら今日はやめておこうと思っていた。  無理がしたいわけではない。ただてつやの辛い過去を良い過去に変換してあげたかったのも気持ち的にはあるのだ。  もちろん記憶から消えることはないだろうが、まあ男とやることも悪いことばかりではないことを知らせたいとも思った。 「ん…ぁあ」  入り込んだ指に思わず声をあげ、丈瑠にしがみつく 「変なかんじ…」 「そう?変な感じか…痛くはない?」  うん、と頷いて腰を寄せると、丈瑠の変化を遂げたそれに自分のが擦れた。 「あ…」  一瞬腰を引いてそこから離れようとしたが、 「あぁ、じゃあまず…一回」  丈瑠は離れたてつやの腰を引き寄せ、自分のものとてつやの物の裏側を合わせて一緒に握り込む。  そして腰を揺らしながら裏を擦り、手で両方を扱いてやった。 「あっ…それ…なっ…なに、あ きもち…いい」  俗に言う『兜合わせ』 裏側を合わせて同時に擦り上げ、それと同時に一緒に握り込み手でしごくというもの。  もちろんてつやには初めての行為だ。  てつやの腰も無意識に揺れ、丈瑠は微笑んで手の動きを早める。  ローションがついているものだから、ヌルヌルとよく滑り、それが気分を煽ってゆく。 「ぁ…んっ最初一回…イこ…一緒にいけるかな…あぁきもちいい」  腰と手の動きを早め、空いた手でてつやの頭を引き寄せキスをした。動きに合わせて激しいキス。息が漏れ、声が上がり 「あっいく…丈瑠…おれもぉ…いく」  場と初めての行為に当てられて、自分でもはやいと思うが言ってられないほど感じ入っている。 「ん…じゃあ一緒にいこ…おれも…いけ…そ」  丈瑠は緩やかに腰をふり、それでも手の動きは速めて擦りあげ始めててつやの射精も促してくる。 「あっあぁっも…イク…ぁいくっ」  てつやが丈瑠にしがみつき、耳元で声をあげ数秒早く逝きつき、そして丈瑠もその声に反応して弾けていった。  抱き合って息を整える。 「なんか…はぁ…あぁこんなん初めてで…すげ」  丈瑠の肩に頭を預け、荒い息を吐き続けているてつやを丈瑠は抱きしめた。 「相性いいなぁ俺ら…てつやも上手…」  耳元で褒められててつやも笑う。 「上手言われても…」  そう言って丈瑠から離れて、てつやはシャワーを取った。  お湯を出して、丈瑠の腹にかかっているものを流し、自分の腹も流してそしてボディーソープで身体を洗い始める。  丈瑠の肩、お腹そして中心でまだ勢いを保っているところへ指を這わせた。  初めて触る他人の物だった。  てつやの体は丈瑠が洗ってくれて、2人は浴室を出る。 「あ〜暑かった」  丈瑠がそう言って、冷蔵庫から缶ビールを取り出し、てつやには水しかないやと水をとってくれた。  飲んだ後に風呂場でまず一戦は、異常に喉が渇く。てつやは500mlの水の3分の2ほど飲み干す。 「取り敢えずはどうだった?」  ベッドに座った丈瑠がビールをヘッドボード置きながら聞いてきた。 「どうって…」  女性とやった時より気恥ずかしくて、てつやは腰に巻いたタオルごとソファで足を抱えている。 「気持ちいいっていってたじゃぁん」  笑ってこっちくれば、とベッドを一回叩いた。  それを聞いてなお、てつやは動けないでいる。  なぜだか罪悪感があった。なぜなのかは自分でもわからないが、ここから超えてはいけないんじゃないか…となんだか思ってしまう。 「どした?怖くなっちった?」  丈瑠がソファまで来て隣に腰掛けた。  自分の膝に肘を乗せて、前のめりにてつや の顔を覗き込む。 「俺は最高に気持ちよかった」  笑ってそういうと、てつや は抱えた膝に顔を伏せた。 「俺も気持ちは良かった…よ」 「なら良かった」  ついでに持ってきたビールを煽り、丈瑠はソファに寄りかかる。 「少しビール飲むか?」  缶を差し出してみるが、きっと断られるだろうと引こうとしたら 「うん」  と言って缶を取られた。 「え?」  と思う間に、てつや は3口ほどごくごくと飲みゲフッとゲップをする。 「そんな一気に」  その行動に笑って、もうおしまい、と缶を取り上げる 「美味かった?」 「まあまあ」  酒の素質もあるんだな。 「なんでまた飲む気になったんだか」  てつやは今度は膝に顎を乗せる。 「酔えば…先に行けるかなって…」  飲もうとしてた缶を止めて、丈瑠はてつやをみた。努力してくれてるん?俺に?  となんだか妙な喜びを覚える。 「無理じゃないからな。さっきのでも十分気持ちよかったから…あとは帰ってもいいし、ここにお泊まりして話しこんでもいいよ?」  ビールを一口煽って、缶を前のテーブルに置いた。 「俺は…売りをする気は全くないんだけど…その世界のことを知りたいと思う気持ちがあって…でも誰でもいいわけじゃないから…」 「うん…」 「丈瑠なら平気だった。だから大丈夫かなってさっきまで思ってたんだけど…。なんだか気持ちの奥の方で罪悪感があるんだ。これなんだろうってさっきから考えてるんだけど、わかんないんだよな」   膝に口を埋もれさせて、てつやはボソボソと話した。  それを聞いて丈瑠が話だす。 「前から思ってたことあるんだけどさ。てつやは暴行未遂に遭ってるだろ。それで色々な人に助けられて今があるわけじゃん」  てつやは黙っている。 「で、きっと…俺の考えだから違ったら悪いけど、暴行未遂で大騒ぎして、母親を捨てるきっかけも男とやらされる事だったりで…男にされそうになって騒いできたことを、今更自分が自ら男とどうとかっていうのが…ダメだと思ってんじゃないかな?みんなに悪いとか思ってるとかね」  それは少し前に自分でも考えていたことだった。 「言い方悪いしきつかったら先に謝るけど…そう言う奴らと一緒にされるのは、俺は勘弁だよ?自分の意思で身を任せるのと。人に強制されてするのは全く違う。てつやが嫌ってるのは、無理矢理だったり強制だったりの方で、普通はそんな事ないから…」 ー俺は怖い?ー  とまた顔を覗き込んでくる丈瑠に目を向けててつやは首を振った。 「てつやが俺たちのこと理解したいって言ってくれるのも嬉しいし、そこまで思ってくれるなら、変なやつは稀だって言うことが判っていけるように…やっていきたいんだ。だから無理にはしたくない。俺は待てるよ。ここまで連れ込んでおいてなんだけど。まあでもてつやの初めては欲しいけどな」  へへっと笑いながらもきちんと意志は伝えてくるスタイル。  丈瑠は無理強いしないでくれている。ちゃんと俺の気持ちを汲んで、嫌ならしないでいいとまで言ってくれた。  罪悪感は確かに強制されてする『事』にあった。警察まで入って男に襲われたことを真剣に怒ってくれる人がいて…母親に売られそうになった事も、怒ってくれた人たちに今更男とやってますとは言えないな…と思っていた。でも…てつやは足を抱えていた腕を解いて足を伸ばすと、隣の丈瑠に寄りかかった。 「どした?」  丈瑠はソファの後ろから手を回して肩を引き寄せる。 「俺は…俺を助けてくれた人を裏切ってしまうと思ってた。でもこれが恋愛じゃないにしろ、あの人たちが心配してたのとは違うんだな。今のこれは…犯罪じゃない…よな…」  丈瑠もてつやを抱きしめてあげて、うんーと呟いた。内心は未成年淫行に怯える23歳。  寄りかかるてつやの顔を見て 「チュウしていい?」  と聞いてみる。 「ん…」  と頷くのを確認して、丈瑠は静かに唇を合わせた。さっきとは違う穏やかなキス。舌が優しく絡まり、呼吸もゆっくりとできる。  何が普通なのかはわからないが、普通なら…男とホテル(ここ)まで来ることも中々ないはずの中、てつやは来ている。  店で免疫がついてしまったのもあるだろうが、それはそれでやはり最初から男の相手もできる『(たち)』だったんだろうなとキスをしながら丈瑠は考えていた。 「かわいいなぁ、てつや…」  首筋を吸われて顎を上げた。上がった顎を経由して反対側の首筋へも薄いキスマークをつける。  丈瑠の頭は徐々に下がってゆき、乳首を口にすると思わず声が漏れた。 「ここ感じるんだ」  そう言って、ちくびに舌を這わせ、反対側は指でこねて摘んでいじり倒す。 「んっ…やだ…だm…」  身を捩るが、丈瑠は優しくホールドして離してくれない。 「あっあぁ…だめだって…ん…」  歯を立て、唇で挟み散々弄んでからてつやの肩を抱いたまま立ち上がり、正面から抱きしめなおすと、腰をもって少し抱き上げた。 「え…やば、ダメだよ無理無理」  てつやの足は浮いており、腰をしっかりと抱かれて丈瑠に運ばれていた。 「こんなタッパばかりでかいヒョロヒョロなら、空手15年の俺にはちょろいです」  え、空手15年?どうりで引き締まった体してると思った…と、てつやは触れられる肩と背中に手を伸ばす。  均整の取れた筋肉がついていて、マッチョな感じではないが想像以上に筋肉質な身体をしていた。  いやそれはそれだ。現状が恥ずかしい格好には変わりない。  てつやは改めて首にしっかり捕まり、ベッドに降ろされた。  丈瑠はそのままのしかってきて 「もう逃げらんないからね…俺本気でやっちゃうよ」  目の前でそう告げて唇を重ねる。  キスをされながら腰のタオルを解かれ、剥き出しになった下半身を密着させて擦りながら、丈瑠の両手は両方の乳首をいじりだした。  なんだか全身を責められているようで、一瞬にして意識がぶっ飛びそうだ。  丈瑠の唇が徐々に下がって、乳首を口に含み、弱点と知るそこは執拗に責められる。それと同時に下半身も擦り上げられているので、てつやはもうたまらなくて身を捩って声を上げるしかできなかった。 「あっ、っ…そこ…やっ…だ…」 「かわいい声上がってきたねえ」  丈瑠の息も上がってきていて、身を捩りっぱなしのてつやに欲情を隠さない。 「もっと鳴いて…てつや…声きかせて…」  言いながら唇をおろし、今まで擦り合わせていたてつや自身を口に咥えた。その頃にはもう随分と硬くなっていた。 「っ!あっ…それだ…m…ぁ…」  女性にもされてはいたが、今の感覚の比ではなかった。当たり前じゃないと言う場面が、興奮剤にもなっているのだろう。  含まれたそこはより硬くなり、より大きくなって丈瑠の口を犯している。 「お前の…でかい…おいし…」  わざと音を立てて啜り、舐めあげ指で擦る。 「あっあっああぁ。だめイクから…丈瑠…だm…」  そう言われてかどうか丈瑠は一度口をはなし、てつや のバックへ指を忍ばせた。 「ここやっとかないとって思い出したよ…ローションいるかな…」  指を当ててみると先ほどより滑らかに第一関節まで入り込んだ。てつやが流した液体がずいぶん潤してくれていた。  中指を一本ゆっくりと入れてみると、てつやからため息のような声が漏れたが痛みは訴えてこなかった。 「大丈夫?指一本入ったけど」 「…え…はいったの…なんかきもちかった…」  丈瑠は驚いてつい顔を見てしまった。  初めての子を扱うのは今までもあったが、ここで『きもちかった…』という子は初めてだった。  この子が襲われたり、男に狙われたりするのは無理もないかもしれない…もう天性のお誘いさんだし、香りではないなにかのフェロモンのようなものを持っていると確信した。 「やっぱもったいないねえ…」  指を2本に増やすと流石に苦しそうな声は上がったが、それはほんの少しであとは指を数回出し入れしても甘い声しか漏れてこない。 ーたいしたものだよー  さて、試金石の3本目だが…とやってみると、入れた瞬間体が硬直した。  やっぱり無理かな…と手を止めるが、その直後腰が蠢いて指を誘うように動き出した。 「あっ…あっ…きつ…はぁ…ぁ」  きついとは言うけれど、指3本しっかりとおさまってしまう。  丈瑠はより欲情した。この身体の初めてをもらえることに異常なほど高揚して、自分自身をも自慰のように擦り上げる。  その間も指を中で拡げたり、出し入れしたり、十分に広げないとダメージも大きいから慎重にやっていたが、もうどうにも我慢が限界に来た。 「てつや…?いい…かな…入るね…きつかったら逃げていいから」  そう言っててつやの足に自分を挟みこませ、その中心に自分を当てるとゆっくりと身をすすめて行った。 「んぐっ!んぅぅっっくっぅ…」  喉がそって、体が上擦ってゆく。  逃げていいとはいったが、こうなるとやはり押さえてしまう。 「ぁ…てつや…すげ…キツ…」  てつやの腰を掴んで、引き寄せるようにしながらゆっくりと進めて行く丈瑠は、最近受けばかりで攻めは久し振りなこともあり、初めての子への挿入はちょっと感じすぎてしまっていた。そう、丈瑠はリバーシブリタイプであった。 「ふぅ…」   丈瑠の顎も上がり、やっと全てを納め終わる。 「…てつや…平気…?」  頬が赤くなったまま荒い息を吐いて、てつやは頷いた。 「圧迫感…が…っ…すげえ…中身全部競り上がってる感じ……」  わかる…と丈瑠は頷いた。 「でもすぐ慣れるから…ちょっと動くな」 「やっまって…もすこ…!んっんんっ」  てつやの膝を折って足を開かせると、丈瑠は腰を前後に揺らし始める。 「んんんぅうっあぁ…きっつ…う…」  てつやの体が上下に揺れて、きついと言う割には無意識なのか腰が軽く蠢いていた。 「…きつい…?ごめ…とめらんな…い…」  ゆっくりとはしてるつもりだが、いかんせん丈瑠も感じ過ぎていて制御が追いつかない。 「ふっ…ふぅ…ぁ…んっふぅ…ふぁ…」  苦しそうながらてつやの声が漏れ、その声で丈瑠も上がっていった。  てつやはてつやで、キツさや痛み、圧迫感等から逃げるために息を散らすことに集中し、できるだけ身体の力を抜くように自分で調節しているらしかった。 「ああ…いい…てつや…気持ちいい…お前の中…気持ちいい…」   丈瑠は音がするほど激しく抽送を繰り返し、徐々にてつやを追い込んでゆく…が自分も追い込まれてゆく。  次第に慣れてきたてつやは、程よく力が抜けるようにできた頃からやっと快感を少し感じられるようになった。 「んっんんっぁ…あっあぁ…」   中で擦れる感覚や、丈瑠が揺れる感じと自分が揺らされる感じ…が、相待って次第に何かが高まってくる感覚が来る。 「あ…だめだ…おれ…いき…そ…ぁあ」  中心を丈瑠に擦り上げられながら、てつやは声が上げる。 「んっ……だめいく…もうイクイクあっ」  てつやも背が徐々に反り腰を上げて丈瑠へと押し付け、押し付けられた丈瑠もその下へ膝を割り込ませてより深く、奥を抉るように突き立てた。 「うぁっそれっあっああ、きっつ…おくぅ…すご…あぁあっあっあああっ」  てつやの声が訳がわからなくなってきて、それを聞いた丈瑠ももう限界を迎える。 「俺もイクっいい…あ…もぉ…あっぁっ」  上がりきった2人は、腰を擦り寄せるように押し付けあって、そして背を反らし、てつやは腹に、丈瑠はてつやの中に放っていった。  その後数秒てつやへ腰を打ちつけて、丈瑠は隣へ仰向けに転がった。   荒い息が2人から漏れ少しだけゆったりする時間が流れる。 「はあ…」  と、起き上がった丈瑠はヘッドボードの上のティッシュを2枚てつやに渡して、自分も一緒に腹の上を拭いてあげた。 「おまえすっげえな」  そしてまた寝転んで、てつやの顔に汗で張り付いたほぼ銀色の髪を除けてやる。 「な…にが…」  すげえと言われてもてつやにはわからない。少しぼーっとしながらてつやは問い返したが、丈瑠は深いこと言わないでおこうと 「ん…俺との相性」  と言って笑った。 「もうさ…ゴムつけんの忘れてたよ…ごめんなぁ」 「風呂で…俺がちゃんと洗ったから…いんじゃね?」  そう言うことじゃないでしょ と丈瑠は笑って、 「あ、そうだ。ちょい見せてみ」  とてつやの体を横向きにして、尻を開いてバックを確認する。 「ちょっ…なんだよ」  てつやが隠すように手を伸ばし、体を戻そうとしたが 「いやいや、大事だからさ」  とそこを確認し、 「切れてなさそうだ。よかった〜」  結構強引にやった自信があったから、少し心配だったが安心した。 「そんなとこまで気にすんのか…」 「いや、そう言うけどな、キレてた場合結構これが大変なんだよ」  場所が場所だけに痛いし、薬を塗るにも苦労するし、なんせ用を足すときに…ーもういい…ーとてつやは上向きになって、丈瑠の口に指を当てた。 「とにかく、切れてなくてよかった…。でも圧迫感が半端なかったな…。気持ちは良かったけど…圧迫感が…」  とにかく圧迫感のインパクトが強かったらしい。 「吐きそうにならなくてよかった。でも最初からそう言う奴ってあんまいねえぞ」  人によってはその場で吐いてしまう子もいるからね、と教えてくれた。  丈瑠はティッシュをゴミ箱へ捨てて、さっきてつやが飲んでいたペットボトルを持ってきて渡す。 「えらく声出てたから喉乾いただろ」  ちょっと意地悪な顔でそう言ってくる丈瑠に 「全然平気若いから」  と返してくるてつや。 「俺だってまだ23だぞ」 「俺17〜」  うっわにくたらし!と水を奪って飲み干してやる。 「おーいー、俺の水」  ちっと舌を鳴らしたてつやは丈瑠の持っていたビール缶をぶんどって、煽ってやった。 「バカ!飲むなって未成年!」  つい言葉に出てしまったが、やはり言われる。 「あんま未成年っていっていいのか?今この現状で…」  横向きに半身を起き上がらせているてつやが、ーこの現状ーという自分の体を指差してニヤニヤする。 「案外やな奴だな」  と丈瑠は笑ってビールを取り返し、ベッドのヘッドボード置くと 「じゃあ2回戦と行こうかな…」    と再びてつやにのしかかった。 「うわ絶倫かよ」  と、のしかかってきた丈瑠に一旦抱きつくが、ふと何かを思い立ちてつやは起き上がり丈瑠をベッドへ座らせるとその足の間に顔を埋めた。 「あ…おまえ…んっ…」  ちょっと立ち上がりかけた丈瑠自身を口に含み、やってもらったように動かしてみる。 「それまで上手にされると面目立たねえから…そこまではいいんだぞ…」 「なんでもやってみたいお年頃なんだよ」  わけわかんねえ、と言いながらも、その舌使いに息も乱れてきて、丈瑠はてつやの髪を優しく掴んだ。

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