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第24話 〜扇情〜

「風呂の準備もできてるようだ。入るか?」  どこかへ行っていた誠一郎が戻ってきて、そう言ってくるので仕事終わりにそのまま来たこともあり 「あ、じゃあお風呂入らせてもらおうかな」  と、素直にてつやは答えた。しかし 「あ、着替えとか下着何も持ってきてないけど…」 「替えはあらかたのサイズが揃ってるしタオルもあるから、それを使え。こっちだ」  そう伝えながら歩いてゆくが、 「寝なくて平気か?さっき眠そうだったが」  と心配そうに振り向いた。 「さっき車で寝たら目が覚めたよ。誠一郎は大丈夫なん?」 「俺は慣れてる」  と、いいながらドアを開けた。  脱衣場は普通の家よりは十分広く、洗面台も2つ置かれていて、ドライヤーもそれぞれについている。 「ホテルみたいだな…」  思わず呟いてしまうが、誠一郎は 「結構|別荘《ここ》は客人多くてな。色々揃えてるうちにホテルみたいになっちまった」  と 笑った。 「だからってすげえよ…」  ちょっと感動からゲンナリしそうな豪華な家に、てつやは服を脱ぎ始めまさか風呂まで…と下を脱ぐ前にちょっと偵察… 「え、すげえ!木の風呂だ!」  てつやは猫足のついたバスタブなどを想像してたが、予想外の物に逆に感動して声を上げてしまった。  てつやの様子が面白くてそこにいた誠一郎がー檜と言えーとますます笑っている。 「おれ、こう…なんか色々変な想像してたけど、木…檜?の風呂があるなんて想像もしてなかった…俺初めて入るかも…」 「変な想像ってなんだ」   もう笑っていいのか戸惑うべきなのか誠一郎にもわからなくなってきた。面白いやつだなおまえーと頭をくしゃっと混ぜて、抱き寄せた。 「え…なに?」  こんな近くで誠一郎を見たことない、とてつやは少々戸惑うが、誠一郎は相変わらず笑いながら 「頑張ってたのは見ていたぞ。偉かったな、『俺の女』なんての背負ってな」  それはわかったけど…なんでこんな体制で…  気持ちの余裕のなさは絶対に出ているはずだと、誠一郎との間に両手を入れて 「うん、わかった…わかったからちょっと離れて」  誠一郎の胸を押すが、そうするとより抱きすくめられて 「なんだ、俺がこんなことすると引くか?まあそうだろうけどなあ」  クックっと笑って、片手でてつやの前髪を後ろに撫でつけた。 「楽しんだみたいだな新市街の裏も表も」 「う…うん。元々楽しいところだったけど、深いところで楽しませてもらって感謝してるよ」  腕はそのままで、今は少し真摯に受け答えをする。 「それでこんな色気まで付けちまってな」  髪を撫でた手を顎まで下ろしてきて、 「流石の俺でも少しやられるぞ」  ニヤッと笑ってその手を後頭部へ移し、間にあるてつやの手はお構いなしに抱きしめた。 「いや…その話は俺はあまり好きじゃなくて…」  抱きしめられて耳の裏を指で撫でられて肩をすくめる。 「お前の好き嫌いに関わらず、周りはそういう目で見るだろうよ…どうすんだこれから」  後頭部に当てているのとは反対側の手がまだ下着をかろうじて履いている尻に移っていく。 「せいいちろ…なにするんよ…まさかだよな…」  さっき確かに『俺でも少しやられる』とか言っていたのが思い出される。 「どうせお前の事だろうから、新市街出たら|色気《これ》消すのに躍起になんだろ。だから少しだけ俺も恩恵に預かろうかと…」  唇が首筋を這って、肩の先まで滑ってゆく。 「ちょ…冗談だろ…だって誠一郎男に興味ないって…」 「男にはない。だが|てつや《おまえ》には興味津々だ」  そう言って唇を合わせてきた。 「こんなガキなのに大人以上の色気出しやがってるの、ほんと面白えよなお前…」  唇の角度を変えるのに離した隙にそんなことを言われ身じろぐが、それも許されずに強く抱きしめられ、腰も引き寄せられてしまう。 ーえ…あれ…ー 押し付けられた腰は、お互いの緊張を感じあって、引くに弾けない腰をてつやはどうしていいかわからなくなっていた。 「ん…んぅ…」  誠一郎の舌は無遠慮だが巧みで、今まで味わったこともない大きな舌だ。それだけでちょっと欲情してしまう。  思えば大人の男性としたことがてつやはなかった。最年長が丈瑠なので、誠一郎ほどの年齢の男性は知らない。 「なぁ…やるの…?俺と?」  キスの合間にそう聞いてみるが 「するかどうかはわからんな…」  わけわかんないよ…と言う言葉は再びキスで塞がれて、そうしながら誠一郎はてつやの残りの服を脱がせて、先に風呂場へ行かせると自分も服を脱ぎ中へと入っていった。  戸惑いながらもシャワーを浴びていたてつやは、どうしていいかわからずにとりあえずボディソープを手に取って、泡立て自分を洗い始める。  浴室へ入った誠一郎は、手で泡立てているてつやに苦笑して 「タオルここにあるだろ?」  とタオルを差し出し、それを受け取るてつやを抱き寄せた。  強引だが嫌な感じではなく引き寄せられ、てつやはいつになくドキドキしている。初めて誠一郎の身体を見たが、肩幅は自分より1.5倍くらいあるようにみえ、筋肉質のその身体は身長がそう変わらない分とても大きく見えた。 「なんだ?いつもそんな大人しいのか?」  煽っているのかニヤリとしてボディーソープのついた身体を弄ってきて、その感触に 「っ…ん…」  と思わず声を漏らしてしまう。 「中々いい声だな…」  背中を撫でて、尻の二つの丸い丘を撫で一瞬上がったてつやの喉元に唇を当ててくる誠一郎にてつやは誠一郎に抱きついた。 「はっ…」   感じ入る声まであげてしまう。もう条件反射でしかない。 「ここ…使うんだろう?」  尻の間に指を挟まれてソコを撫でられると、もう腰が抜けそうに足がガクガクとなってくる。 「なんだ、早いな感じるのが…これで感じてたらここに入れられた時どうなってるんだ…なあ…てつや…」  誠一郎が首元へ唇を這わせながら名前で呼んだことが、なぜか快感で身体が震える。それに『ここ』と言われた時に差し込まれるんじゃないかと言うほど強く押されたそこは準備のためか蠢き、てつやの前はもう起立状態だ。 「おー…元気だなぁ。もう腹についちまってる…なあ?どうしたら気持ちいんだ?ここか?ここに指入れるか?」  ふたたび『ここ』を強くされ、てつやは思わずしがみついた誠一郎の肩で頷いてしまう。 「そうか…それなら…」  誠一郎が当てていたそこへ中指を、ゆっくりと差し入れてゆく… 「んっ…んぁ…ぁあ…んんぅ」  てつやの喉元が反り、しがみついていた手がより強くなる…  あまりいいことではないとは思うが、それでもボディソープの滑りでスルッと入ってくる指は、経験上これから入ってくるであろうものを想起させ快感がゾクっと背中を走った。 「気持ちいいか…そうか…俺もお前を気持ちよくできて嬉しいぞ」  言いながら指を出し入れして、てつやの様子を伺う。  女性しか知らないと言う割には、意外と心得た動きをしてくる誠一郎に裏新市街で得た経験も少なくないてつやが翻弄されていた。 「は…も…やめ…欲しくなっちゃうから…ここで…やめよ…」  動揺していたのか、てつやはずっとシャワーヘッドを握りしめていたために、2人の体に暖かいお湯がずっとかけられている。 「欲しがったっていいぞ…いいから好きなように声を出せ、遠慮するな」  誠一郎の指は太く、一本でもそれなりに感じてしまうが、それを2本にしてきた時にはてつやも流石に大きな声をあげてしまった。  感じる…誠一郎だからなのか、大人の男性だからなのかわからない。今までにない快感が身体を襲っていて、指でこんなに乱れるのは初めてでてつやも夢中になるしかなかった。 「ああっいい…指ぃ…ふと…ぃ…感じる…ああっんっせい…ちろ…もっと…」  さっきから誠一郎は、てつやから訳のわからない雰囲気を感じ取っていて、 男はどうか…とちょっと前まで半信半疑で行っていたこの行為が、一瞬で本気にさせられた。 ー俺が…男に…?ーてつやのおねだりのような声にもう堪らない感じになってしまい、それでも自意識はたもつ 「いい子だな…ちゃんと言えてな…」  空いた手で髪を撫でてやり、指の動きを速くしてやるとてつやから激しい声が漏れ始め、腰を揺らして誠一郎に擦り付けてくる。  それが可愛く感じられて、とりあえず一度逝かせようと髪を撫でていた手を下げて、てつやの前を擦り上げてやる。 「ああっあっああ…んっいくっいくいくっからっだ…mんんっんんっ」  誠一郎に肩にぎゅうううっとしがみついて、てつやは達した。  誠一郎と自分の間で精を放つと、十数秒そのまましがみついていたが、その後急速に自分が戻ってくる。 「あ…ごめ…」  身体を離して、誠一郎の腹をまず流そうとするが、誠一郎はそれを押し留め、自分の立ち上がったものを手で扱いてみせた。  てつやはそれを目にし、誠一郎の前にひざまづいてそれを口にする。 「っ…」  思わず漏れそうになった声を抑えて、誠一郎はてつやの口に収まっている自身を見下ろし、出し入れしているてつやの唇に魅入った。 「んっんっ…でかい…これ…んん」  手で扱いたり舌を這わせたり、袋を弄りながら袋との境に舌をレロレロさせたりして、無意識に膨張度合いを促す行為を続ける。  誠一郎はなるほどな…と思う。  女性からされるこの行為も中々に扇情的でいいのだが、男同士は心得ているんだなと思う。  巧みな女性は沢山いるが、男の『良い』ところというのを解っている人は稀だ。  しかし男なら、男の良いところが判る。思わず声が出そうになるのも無理はない。  裏筋を舌全体で舐め上げながら誠一郎を見上げると、愛おしそうにみてくれていて、てつやはそれが嬉しかった。  大人の男性にはなぜかいい思いが持てていなかったが、少しそれが解けた気すらする。 「これが欲しいか?てつや…」  手にしたものがヒクヒクと動き、それを見ながら再び見上げる 「ほしい…ほんと欲しいけど…」  もう慣れてしまっている入れるべき箇所も、ヒクヒクと手の中のものを求めていた…が 「何だ?」 「男とは…だめなんだろ…?俺、これ頑張るからそれでいいよ?誠一郎が出すので…それでいいよ」  誠一郎を見上げて、手にしたものを大事そうに撫でて舌を這わせるてつやに誠一郎も限界が来てしまい 「この…色気小僧め」  と言い捨てててつやを立ち上がらせると戸惑うてつやを後ろを向かせ、壁に手をつかせた瞬間に固く反り切ったものをてつやの中へズブズブとと挿入していった。 「はっあっあっっ…んんんっきつ…あぁ…んっくぅっ」  壁に爪をたて、挿入感に耐えながらもそれでも息を吐き少しでもお互いが楽なように息を吐いて、散らしてゆく。  慣らしはだいぶしてはもらったが、ちょっと潤滑油的なものが足らずお互いがきつい思いをしている…が誠一郎はてつやが手をついた壁についている小さなドアからローションを取り出して直接そこへたらしてきた。  風呂場にローション常備かよ…とちょっとびっくりしたがそれでだいぶ楽にはなり、てつやもその滑りでだいぶ情を煽られてきた。 「あっあっあぁ……きもちい…あっああ…いい…いい…」  激しく突かれて揺らされることが快感になって、てつやの感情を蕩けさせる。 「もっといいよ…もっと強くしていいよ…あっぅんっいいっああぁんんんっ」  誠一郎もてつやの腰を捕まえて打ち付けるごとに、ほんと…こいつやばいな…などと口走り、ますます突き上げを早くしていった。

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