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ふたりの勉強会

「前から思ってたんだけどさ」 「…うん?」 優が腰を下ろすなり神妙そうな顔つきで口を開く。 「荘の部屋って性格に合わず綺麗だよな。 しかもわりといつも」 …そりゃ優が来る前に片付けてるからな。 「失礼だな!俺だって片付けくらいするわ!」 「ごめんごめん意外性があってつい。数学と英語だっけ?」 テーブルの上の課題をパラパラとめくりながら優が聞いてくる。 「はい…もうすんの?」 「そのために来たんだろ荘でもわかるように説明してやるから」 「うん…」 それは知ってる。優は教えるのが上手い。 だけど俺は気付いてしまった。 ローテーブルでも近いものは近い! さっきから立ったままの俺はオレンジジュースを持って固まっている。 「荘?どうした?」 不思議そうに優が首を傾げる。 「な、何でもない…」 俺は諦めてローテーブルを挟んで優の正面に座る。 「ふはっ、結構最初っからつまずいてるなー」 優が数学の方を見ながら吹き出す。 「全然わかんなかった…」 「わかるまで付き合ってやるからそんな顔すんなって」 爽やかに笑う優を見て俺は不思議に思う。 今から勉強だってのに何がそんなに楽しいんだ。 すげー謎だけど今は数学の方が重要だ。 俺はシャーペンを握り締めて優の顔を見る。 「よろしくお願いします!」 「ん、頑張ろうな」

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