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誕生日
やっぱ夏とは言え夜は寒ぃな…。
この季節でも案外手袋使えるかも…。
…いや無理か。
さっきのことを思い出しながら
優のマンションに向かう。
ピンポーン
あっ、いい匂い…。
ドアの前に立つと漂ってくる
美味しそうな匂いに一気に食欲がわいてきた。
「こんばんはー!いい匂いだな!」
「来てそうそうそれかよ」
俺の最初の一言を優に呆れたように笑われて
俺は少し膨れながら
正直に思っていることを言う。
「だって優のご飯美味しいんだもーん」
「…早く入れよ」
そっぽを向いた優を不思議に思いつつ
いい匂いのするリビングに早足で向かう。
「…美味そう!早く食おうぜ!」
優の袖をぐいぐい引っ張ると
その前に手洗ってこい、
と言われて急いで洗面所に走る。
「手洗った!」
「ん。じゃあ食うか」
お互いに手を合わせていただきますをする。
「美味い~!俺幸せー!」
「荘の誕生日だからな。」
さらっとそう言われて少し照れる。
「…それ覚えてたんだな」
「ん、まあな」
何でもない、と言うように自然に頷く優に
少し照れてしまう。
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