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第十七話

「あのお嬢ちゃん、面白かったな。からかいがいあるというか……。あの全力で向かってくる感じ。いいね!さすが未来の女王様!」 「君は何度もそのことを言っているが、一体何の根拠があるんだ?」  光安は男の言動に対して意を唱えた。 清蓮に何かあるというのかと。 「別に……。これといった根拠なんてないよ。でもね、俺には分かるんだよ、見えるんだよ。俺、きっと預言者だと思う」 「君は……、馬鹿か?」 光安はどこまでも悪ふざけする男に呆れかえる。 「おいおい、おまえ、それはあまりにもひどいんじゃない?俺は本当のことを言ってるだけだ。なんだったらこれからの俺たちのことだって予言できるぜ!」 「どんなことが起こると言うのだ?」 光安は冗談だと分かっていても、興味をそそられてしまう。 男は光安の前に立つと、また両腕を光安の首に巻き付けると、そっと光安の唇に優しく触れた。 二人は小さな口づけを繰り返し、互いに弾力のある柔らかい唇の感触を確かめた。 「ふふ、光安。俺が分かってるのは……。今夜俺たちは、燃え盛る炎のように激しく愛し合うってことさ!」 男はそう言ってまた光安の唇をそっと喰もうとしたその時、光安は控えめに、だが確固たる自信を持って男の言葉を否定した。 「違うな……」 「ん?何が違うって言うんだ?」  男の声はどこか不満げだ。 「おい、光安!一体何が違うっていうんだ?教えてくれよぉ」 男は早く答えを言って、おまえの唇をちょうだいと、そう思いながら光安に懇願した。 光安は怪しい色かを漂わせながら微笑むと、男の体を引き寄せ、耳元でこう囁いた。 「違うな。今夜ではない……。今だ」 その言葉を聞いた男は大輪の花が一気に花開いたように、美しい笑顔を光安に向ける。 「光安!光安!ねぇ、聞いて、聞いて!おれね、おまえのそういうとこ……、大好き‼︎」 男は光安の首に巻き付けた両腕に力を入れると、えいっとばかりに自らの両足を光安の両腰に絡めた。 光安と男は再び口づけを交わすと、今度は容赦なく互いの口の中で思い思いに舌を絡ませた。 二人の口づけは長く長く続き、決して飽きることがない。 光安は男の唇を離すことなく、男を抱えたまま屋敷の中へと消えていった。

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