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診察②
如月「初めまして、、特別治療科の如月です
今日はどうされましたか」
駿「・・・・」
水澤「ごめんなさい
この子を預かっている施設に務めています
水澤大吾といいます
実は最近駿がよく以上に疲れてたり、力が入りずらいっていうから病院連れてきたんです
そしたら内科の先生がここを紹介してくれて」
如月「そうですか、、、
症状はだいたい分かりました
一応血液検査やってもいいですか?」
水澤「はい、お願いします」
如月「じゃあ駿くん、腕出してくれるかなぁ」
駿「ぃ、ゃ、、グスッ」
水澤「駿、先生が腕出して欲しいってよ」
駿「こわぃ、、グスッ」
如月「怖いよね、、
じゃあ水澤さん、駿くんのこと抱き抱えられますか」
水澤「はい、、駿ちょっと持ち上げるね」
水澤さんが駿くんを抱き上げた時、駿くんが足の力を入れていないことに気付いた
最初はそんなに嫌なのかなぁーって思ってたけど、やけに抱き抱える動作が慣れていて
あ、この子足動かせないんだ、、、
って無意識に思った
如月「ありがとうございます
じゃあ看護師くん、ここ押さえてて」
看護師「はい」
如月「よし、打ってくね
駿くん顔は水澤さんの方向いてよっか」
駿「グスッ、、いだい゛ぃぃ」
如月「ごめんねー、、、
はぃ、終わったよーー」
水澤「よく出来ました笑
そんな泣かんでもええやんナデナデ」
如月「じゃあ検査の結果が出るまでお待ちください」
水澤「はい、、、
じゃあ駿車椅子戻ろっか!!」
看護師「手伝います」
水澤「あ、大丈夫です!
慣れてるんで」
如月「待合室にいて頂いたら放送でまた呼びますね」
水澤「はい、お願いします
じゃあ駿いこっか」
駿「ねーねー、ジュースかって」
水澤「しゃーないなー笑
注射頑張ったから買ってあげる」
駿「やった!!!」
駿くんは水澤さんのおかげで機嫌がよくなり、そのまま診察室から出ていった
俺は結果が出るまで他の患者さんを診ていた
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如月「八木さん、八木駿さんお入りください」
コンコン
水澤「失礼します
ごめんなさい
待ってる間に寝ちゃって」
如月「全然大丈夫です
ちょっと水澤さんにも聞いてもらいたいと思いまして」
水澤「そんなに酷いんですか?」
如月「これを見てください、、
こっちの資料が通常の患者さんの
こちらが駿さんの検査結果です
このテストステロンの数値が極端に低いです」
水澤「ってことはこのテストステロンが少ないせいで駿の体調が悪くなってるってことですか?」
如月「そうなります
駿さんの病名はテストステロン欠乏症といって
脱力感や疲労感の他にも性機能障害があります
駿さんは精通はしてますか?」
水澤「それが、僕も分からないんです
駿が施設に来たのは10歳のときで
駿にはあまり言わないで欲しいって言われてるんですけど、、
実は駿の家庭に問題があって、頻繁に暴力やネグレクト、そして父親からの性的虐待があったらしくて、、」
如月「駿くんは今も?」
水澤「はい、、特に性的虐待が深く傷に残ってるらしくて、、、今もお風呂には誰も一緒に入れないし、駿が自慰してるの見たことなくて、、」
如月「そうですか、、、ちなみに足はなぜ動かなくなったんですか??」
水澤「元の家から逃げている途中でフラッシュバックがおきてしまって、立ち止まったところでそのまま車にひかれちゃったらしくて、、、」
如月「じゃあそのときから、、、
学校には通っているんですか?」
水澤「いえ、9歳の時ににげて、10歳からうちの施設に来たんですが、なかなか心開いてくれなくて、小学校は途中から保健室登校で中学校は負担を減らすために特別支援学校にいってオンライン授業をしてました
高校は通信でなんとか、、って感じで」
如月「駿さんの病態的に暫く入院が必要となります
今から手続きをするんですが大丈夫ですか?」
水澤「はい、、駿のことで何かあったら僕に電話してください
一応施設の中で駿が心を開いてるのは僕と施設長だけなんです
心を開いてくれたら甘えん坊でめっちゃ可愛いんですけどね」
如月「お顔綺麗ですもんね」
水澤「そうなんです
ただ、顔のせいで親に性的虐待をやられたみたいなんで自分の顔が嫌みたいで
こんなに髪の毛伸びちゃってるのに切らしてくれなくて」
如月「僕達が責任をもって駿くんを治します」
水澤「お願いします」
こうして駿くんの入院生活が始まった
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