も、これいつまで続くの！　僕、どれだけイけば良いんだよ！？ 「ああ、いつまでもずっと、こうしてたいな」 　新太の声が、喜色に溢れる。 　いやいやいやいや、それじゃダメなんだって！ 　新太のものが根元まで差し込まれ、ぎりぎりまで抜かれてまたねじ込まれる。新太が動くたび、いやらしい音が響く。 「あっ、はっ、んあっ、あっ」 　この、立ったまま後ろから、が最近よくやる体位だ。 　外であれフラットの中であれ、いろんなところで僕と繋がろうとする新太がすぐ突っ込める、尚且つ、新太がぴったりと肌を重ねられる体勢。 　新太は、僕の首筋の匂いを嗅ぎ、舐めて、吸って、時折甘噛みしながら、僕のお尻を何度も何度も出入りして、一番気持ち良いところを的確に攻め続ける。 　片方の手は乳首をきゅっとつねったり、捏ねたり。 　もう一方の手は、再び硬くなった僕の竿を握り込み、先っぽを指の腹で擦り、音を立てる。 「ん、んんんっ、ふっ、んぅ」 　僕は壁に片手をつき、もう一方の手の指を咥え、快感をやり過ごそうとするが涎は垂れるし涙は出るし、先っぽからは粘度のある液体がずっと糸を引きながら落ちていくし、汗は出るし震えは止まらないし、もうぐちゃぐちゃで、どうしたら止められるのだろう、という考えと、ただひたすら気持ち良い、もっと、と強請りたいという欲求で、頭もぐちゃぐちゃだ。 「や、ああっ、んあああああああっ」 　ぐんっ、とまた大きい波が僕の中に起こり、全身を快感が襲う。 「ぐっ……」 　新太は動きを緩め、堪える。しばらくするとまた抜き差しを再開。 「ふっ、あんっ」 　まだヤるの？　てか何でこんなことになってるんだっけ！？　頭がバカになりそう。 　ああ、ここがフラットだったら良かったのに。僕がどれだけイかされても、新太の気が済むまでヤらせて、出させてあげられる…… 　そっか分かった！　僕はようやく気づいた。 　新太はまだ一回も出していない。新太が出さなきゃ、終わらないに決まってるじゃないか！ 「んあ、新太も、あん、はっ、やくっう、ん、イってえっ！」 「はっ、嫌だ、ね」 　い、嫌？　はっきりとした拒絶に、僕は驚いた。 「きも、ち、良くない、あんっ、のっ？」 「死ぬほど、はあっ、気持ち、いに決まってる」 「じゃ、あ、んっ、ど、して」 　新太は動きを止めずに、大きく息を吸って一気に言い放った。 「俺の手でどろっどろに溶けた直が見たいからまだイかない」 　ちょっと！　じゃあ、わざとイかないようにしてるってこと！？ 「じ、かんが、はぁっ、無いっ……は、やっ……んんんっ」 『おふたりともお早く！　もう、少しばかりしかもちません！』 　セバスが急かしてきた。ううう、分かってる、分かってるんだよ！　だから早くって言ってるのに！ 「あら、た！」 　新太は、はっ、はっと息を上げながら、僕の気持ち良いところを狙って腰を動かすことに熱中している。 「いっ、あ、あああっ、ん！」 　ダメだ、どうしたらいい？　どうしたら新太をイかせられる？ 　そうだ！　何故かいままでやったことないけれど、これなら新太、イってくれるかもしれない！ 「止、まって、んっ、はあっ、止まって！」 　僕は身体を捻り、新太の胸を両手で押した。 　するり、と新太が出て、穴が痙攣する。ああ、これだけで気持ち良……ではなく！ 「ふんっ！」 　新太の胸に両手を当て、体重をかけて押す。 　ぎゃー、ビクともしない、逞し過ぎ！　というか、もう、僕の方がふにゃふにゃで、力が入らない。 　新太は僕の意図に完全に反し、僕の腰を自分の腰に引き寄せる。 「……どした？」 　痺れるような格好良い低音の声と共に、掌で、腰とお尻の辺りをぐるりと撫で回された。それだけで、 「や、あんっ！」 　また、ぶるぶる震えて達してしまった。腰が砕けたのを、新太が察して支えてくれる。ものっすごい笑顔で。 　なんでこう、僕ばっかり！？　ああ、もう！ 「はあっ、床に、はっ、倒れて！」 　新太が首を傾げる。 「寝て！　はっ、お願い！」 　新太は、大人しく床に寝転がってくれた。ただし、僕の左手をがっしりと掴んだままだ。隙あらば自分のやりたいようにヤれるよう、僕を逃さないためだろう。 　新太のそそり勃ったものを見遣る。よし。僕は覚悟を決めた。覚悟は決めたけど恥ずかしいので、目は閉じる。 　よろよろしながら新太の上に跨り、右手でお尻の割れ目を開きながら腰を落とす。 「んっあ！」 　先っぽがくっついただけで、窄まりが反応する。 　気を落ち着けて、新太の肉棒をゆっくりと、僕の中へ誘っていく。 　どくん、どくんという拍動。僕のものなのか、新太のものなのか。目を開けると新太はじっと、こちらを見つめていた。真っ直ぐ、熱い眼差し。それだけで、息が上がる。 　目を合わせたまま、とうとう、根元まで到達する。 「はっ、あああっ！！」 　めちゃくちゃ大きな声が出てしまった。 「こっれっ！　すっごい、奥までっ」 　動いていない、というか動けないのに、 「きも……ちっ、……いい、あああ」 　甘くて切ない感覚が、堪らない。口が開き、涎が垂れる。 　新太が小さく、腰を揺らしてきた。 「あっ、あはっ、や……んんっ！」 　ぴったりと接している部分が絶妙な圧で押され、甘くて切ないのが、倍増して、更に増して。 「っ！　あああああああ！」 　僕は大きくぶるりと震え、背を仰け反らせた。後ろに倒れないよう、新太が咄嗟に両手首を掴んでくれる。 　震えが止まらない。 「はっ、ああっ、ああ、ああっ」 　僕がイってどうするんだ！　もうこんなのばっかり！ 　でも、ああ、これは…… 「はっ、ああんっ！」 　また、新太が下から揺すってくる。快感が、許容を超えてきている。これ以上は無理だ。 　僕の先っぽからは、まだまだ液体が、糸を引きながら零れ続けている。新太のお腹の上にはいつの間にか、とろみのある水溜りが出来ていた。 「あら、たっ！　イってよ！　はあっ……ぼっ、く、もう……げん、かいっ！」 　ぎゅんぎゅんと、僕の中がうねる。太腿の内側と腰の辺りが切な過ぎて、新太の腰を太腿でぎゅ、と力一杯挟む。 「うぁっ、くっ」 　新太が声を上げる。 「はっ、ああああんっ」 　自然と僕の腰が前後に動き始めた。 　左手は新太の指に指を絡ませ、右手は自分で自分のものを握ってしまう。 　擦りつけて、引いて、擦りつけて、引いて。 　気持ちのいい場所を捏ねる。 「ああ、ああ、あっん、んあ」 　甘くて切ないのが、また頭のてっぺんまで突き抜ける。 「ふっ、あああああ！」 　同時に、僕の中でぐうっ、と何かが膨張した。 「はっ、ぐ、うっ」 　お腹の中に熱いものが注がれる。長く、長く。新太のものが、拍動しながらたっぷり吐精していくのが感じられる。 「ん、あっ！！」 　その振動でまた、達する。僕は首を振った。涙と汗が、飛び散る。 「……！」 　声にならない。 　ああ、もう、ダメだ。