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What I will become 何になる?1※

 仄かに明るい寝室の中で、俺は約一日ぶりに、直と視線を合わせることができた。ふたりして立ったまま、身体を寄せ合う。  直は、左、右と目を僅かに動かしながら、俺の双眸を見つめる。  そうしていると、直の瞳が赤く染まって徐々に潤い、身体が熱を帯び始め、頬が上気する。  美味しそうな甘い匂いが立ち昇ってきた。 「はぁっ……新太」 「うん、直」 「あらた、あらた」  ぽってりと膨らみのある美しい唇が、俺の名前を、何度も何度も奏でる。いつにもまして、耳に絡みつくような魅惑的な動きと音に、しばらく心を奪われる。  唇から、ようやく直の目に視線を戻す。その瞳からぽろりと、雫が落ちた。 「あら、た」  直は、俺の顔を両手で挟み、口を開けて迫ってくる。  俺も口を軽く開き、直を迎え入れた。 「っん、ふっ」  息継ぎを、どこでしたら良いのか戸惑う程の、激しく深いキス。  直の甘くて柔らかい舌は、絡めようとするとするりと抜け、しかし向こうからはくるりと捉えてきて。舌裏と、口腔内の奥深くまで侵入し、俺の舌を音を立てながら翻弄する。  俺の大好きな甘い蜜がたくさん注ぎ込まれてくるので、俺はそれを喉の奥で止め、口の中に溜め込んで味わう。  ふたつの舌が、蜜の溜まりで戯れる。 「んんっ」  吸い取られそうになって、俺は慌てて飲み下した。  はあぁっ、と熱く深い溜息。 「……あらた、もう、欲しい。あらたっ」  直がバスローブを脱ぎ捨てる。下着を元々つけていない、露になった股下に手を伸ばす。穴に指で触れると、熱くとろみのある液体が絡んできた。指を一本刺し込み、ぐるりと回して、もう一本、本数を増やす。既に準備されているのを確認。 「……んっ」  直が、俺の腰を引き寄せ、俺のバスローブ越しに熱く硬くなったものを擦りつけてくる。俺は一度指を抜き、三本に増やして、尻たぶをかき分けまた差し込む。 「ふうううう、んっ」  直が俺の肩に顔をうずめる。両足で俺の右足を挟み、腰を前後に動かしてきた。耳が真っ赤だ。  俺は、直の身体の中にある小さなふくらみを探り当て、指で優しく刺激を与える。 「ひっ! や、あ! やああああっ」  直の身体がびくびくと揺れ、声が高くなる。直は一歩下がり、俺の指が穴からずるりと抜けた。  体を震わせながら、俺に手を伸ばす。 「んっ、も、あらた、あらた! も、いいから……はや、く、う」  俺は手早くバスローブと下着を脱ぐ。  興奮しているため、どちらも息が上がっている。はぁっ、はぁっ、という強い息遣いだけが、部屋を支配する。 「あら、た」  直が、俺の胸を掌で押す。押されるまま、俺はベッドに腰かけた。  直は俺の首に右手を伸ばし、俺の太ももの上に乗っかってきた。俺は直が倒れない様に、両手で背中を支える。  直の左手は俺のがちがちに硬くなった竿を軽く握り、しゃがみながら、自分の穴に咥え込ませた。温かく柔く、ぬかるんだ中に、ゆっくり時間をかけて、根元まで。 「あっ! はああああああっ、んっ!」  嬌声と共に、直の中が激しくうねる。 「っく、あっ!」  俺は軽く出るのを止められない。柔いのに、強い。 「んんっ、んっあ」  両腕で身体を抱き締められる。白くて薄い、だが芯のある鍛えられた身体が、強く押しつけられた。 「あ、らたっ」  おでこ、鼻、唇にキスが降ってくる。直の唇が俺の唇に到達するのと同時に、音を立てながら、直が動き始めた。 「ん、んんんっ、んあっ! あ、あっ」  派手な水音を立てて上下に動き、俺を扱く。次第に、上下だけではなく腰の前後運動も加わる。 「っ!」  俺は、直の腰辺りに添えていた両手を、背骨に沿って肩まで這わせた。 「んんっ、はっ、ああああああ!」  直の背中が反り、中が激しく痙攣する。イってる。 「くっ、う、あっ」  俺もイってしまった。腰に直の足が強く巻きつけられる。 「はあっ、はっ」  息を整えながら、お腹の方を見て、直のものを確認する。  硬いまま、射精はしていないようだ。我慢汁がゆるゆると、漏れ出ているくらいか。  先っぽから染み出した汁を指で掬い取ると、わずかに揺れて反応する。あー可愛いこのまま食べてしまいたい。だが。 「あ、らっ、た……あ、んっ。また、おっきくなっ、てきた」 「ああ、大丈夫。良いよ、おいで」  俺は掬い取った汁を、口に含む。再び上下に動き始めた直の身体に、舌を這わせる。直の、小さく隆起した右の乳首に舌を当てると、甘いのとしょっぱいのが混ざり、そのあまりの美味しさに、涎を垂らしてしまう。  あっという間に、直の胸が濡れた。 「はあっ、ああっ、あ、ああ! あっ」  左の乳首は右の指先で弄る。つねって、転がして。  直の中が、再び痙攣を起こす。反動なのか、直が思い切り下半身全体を擦りつけてきた。 「んあああああああああっ!」 「……っ!」  息を止め、目を閉じて、強烈な刺激に堪える。耐える、よし、今度は耐えた!  最近思う。俺がこれまでのセックスでイかずに長く耐えられてたのって、主導権を握っていたからだけなのではないかと。直から攻められると、我慢するのがなかなか大変で…… 「あら、た!」  必死の呼びかけに目を開けると、直が涙をぼろぼろ零していた。 「はあっ。ん、ごめんな」 「ね、も、っと、さわっ、て」  軽くキスをして、直の腰からお尻の辺りを、時間をかけてぐるり、撫で回す。 「あっ、んんんっ! きも、ちい」  入口が締まる。  俺は両手で尻たぶを掴み、下から突き上げ揺さぶりをかけた。 「あっ! いやぁっ、あっ、あ、あんっ! ふっ、あああ!」  中がまた、痙攣する。我慢だ、まだ出さない。 「はっ、はあっ、ん、あっ、あっん、ああっ、ん、んあっ」  直の身体は徐々に反っていき、両手が俺の膝辺りに置かれた。  連続で腰を揺らして中を擦る。この辺り、直の良いところのはずだ。 「ひうっ、やっ! ああっ」  中が激しくうねり、 「うっ、ああああっ」  ああくそっ、我慢出来ない! また、出してしまった。 「うっ、はあっ、はっ、んんんんんんっ」  直が全身を震わせながら、俺の首に腕を巻きつけ、キスしてきた。 「んんっ、ふっ、んむ……」  俺の上唇を、あむあむと甘噛みする。小刻みに震え続ける自分の気を紛らわせるためだろう、俺が舌を出すと、それも一生懸命、あむあむ、あむあむと柔く噛み続ける。  震えが収まると、直は俺を抱きしめ、耳元に囁いた。 「あらたっ、もっと、もっと……!」  俺は直を抱え、入れっぱなしの状態で、ベッドの中央へ少しずつ移動する。  やっと中央へ到達したかというところで、直が俺の両肩を押してくる。逆らわずに寝転がると、 「はあっ、あらた、あら、たっ」  音を立てて、頭のてっぺんから首まで、直が柔らかい唇で俺に触れていく。 「もっと、もっと、欲しい……」  甘い甘い吐息とともに、耳元に誘惑が注ぎ込まれる。耳朶が甘噛みされ、直の身体全体が、俺の上体にぴったり寄せられる。 「もっと、もっとたくさん、はあっ、おく、まで……」  俺の息子が復活したのを感じ取った直が、俺の上に乗ったまま、腰を前後に動かし始めた。 「あ、あっ、は、あっ。んん、あ、らた」 「ん……」 「もっとっ! もっと、ちょう、だいっ」  今度は俺の方が直の首に腕を回し、顔を寄せる。涎が垂れているのを舌で舐めとってやると、口を大きく開けて、唇を重ねてきた。 「ふん、んんっ」  口の中で、舌を絡め合わせる。  途中、直が唇で俺の舌を吸い取る。下の口でも、俺の肉棒をきつく絞める。  上も下も、貪り尽くすかのようだ。 「んんっ……はっ、あ」  直が、上体を起こした。零れた涎を手の甲で拭い、髪をかきあげる。  流れる涙はそのままに、うっとりとした表情で、腰をゆっくり、グラインドさせる。  両手で俺の脇腹辺りをしっかりと掴み、動きを重ねる。その動きと共に、直のものが、先を艶々と濡らし、揺れるのが見えた。  快楽に没頭し、緩みきった口元から、また涎が垂れてくる。妖艶、という言葉がぴったりだ。  綺麗だ。  俺は、両手を直の揺れる太腿に置いたまま、見惚れていた。ふと、目が合う。 「……あ、ああっ」  直は途端に首元まで真っ赤にして、ぷるるっと震えた。中が強く締まる。 「そ、んなっ、見ない、でっ」  腕で顔を隠そうとするが、直の視線は俺の瞳に固定されている。 「も、もっ、ゆる、して」  言いながら、直のものが上から擦りつけられる。 「あら、たっ、はあっ、あらた!」  腰の動きが次第に早くなる。 「こっち、んんっ、み、ない、ああんっ、でっ! あっ、ああっ! こわ、い!」  直の瞳から涙が大量に零れ落ち、 「うご、かないで! かんじ、あっ、すぎて、こわっ、いっ! はあっ、からっ!」  中が激しく蠢く。快感の波に揉まれ、直の白い身体全体が、真っ赤に染まる。 「はあっ、あ、あああっ、んああっ! あら、た!」 「っ、なにもっ、してない。腰揺らしてるのは、直、だぞ?」 「……!!」  俺は、太腿に置いていた両手を、恥骨の辺りまでわざとずらす。直の背中がぐんっ、と反らされ、 「やっ! ああああああああっ」 「うっ、ぐうっ」  うねりが最高潮に激しくなり、俺は直の中に、大量に精液を吐き出した。 「はっ、あ、あああんっ、はあっ、あああああっ!」  直は、立て続けにイったらしい。また嬌声を上げ、小刻みに身体を震わせている。 「くっ、んんんんんんっ!」  あ、またイってる。中がうねり締まった。 「んはあっ、あっ、はあ、はあ、んっ」  息を荒くしながら、直が俺の上に倒れこんできた。  俺は両腕で抱き留め、何度も深く深呼吸して息を整える。  ある程度落ち着いた後、俺が直の腹から自分のを抜くためにわずかに動こうとすると、直が強く、俺の腰を掴んできた。瞳からぶわわと涙が溢れる。 「ヤダ、ヤダっ! ああっ、んっく、っく、んんっ、あら、た、あらた! はな、れるの、ヤダ、ヤダぁ!」  しゃくりあげる程の号泣、からの懇願。 「あっ、はあっ、んっんんんんん! んっく」  身体と、身体の芯を痙攣させる。またイったのか。 「ああ、ごめんごめん、落ち着いてくれ……抜かない、な、抜かないから」  頭にキスをし、頭を撫でる。 「な、入ったままだろ? どこにもいかない」 「ん……うっく、ん」  直の両腕が、俺の背中に回された。 「しー……よしよし、大丈夫、大丈夫」  ぽん、ぽん、ぽん。  ゆっくりとしたリズムで、背中を優しく叩く。  そうして直は、俺に入れられっぱなしの状態で、寝落ちた。

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