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第91話 銀狐、目合う 其の十三 ※
ぐる……と再び竜の唸り声を上げた白霆 が、荒々しい息を晧 の狐耳に吹き付けたかと思うと、竜の牙で甘く耳介を噛んだ。
「あ……っ!」
「本当に貴方という人は……私を煽るのがお上手だ……!」
「……っはぁ、煽ってなんか……っ、ああっ!」
白霆が腰を進めていく。
ゆっくりと拡げられていく胎内の媚肉の隧道を、貪婪に猛る雄蕊がじっくりと抉じ開ける。硬く勃起して浮いた血管の、生々しい感触さえわかってしまって晧は、その熱さと苦しさに喘ぐことしか出来ない。
だがその苦しさの中に、じわじわと腹の奥から染み出てくるかのような官能を感じて、晧は思わず白霆の腕を掴んだ。
そんな晧の様子などお見通しだと言わんばかりに、白霆が耳を食みながら、くつりと笑う。
雄蕊は胎内にあるもうひとつの蕾に、先端をくっつけるようにして止まった。
「ここで……少し慣らしますね。苦しくないですか……?」
「……っ」
苦しくないと言えば嘘になる。
挿入 ってきた質量の大きさと熱さに、知らず知らずの内に甘い息と声が漏れる。だが苦しさの種類のようなものが変わってきていた。それはただ苦しいだけではなく、自分の胎内をこれでもかも占める、圧倒的な存在感への感嘆に近かった。
「……全部、挿入 った……?」
「いえ……まだここです」
白霆はそう言いながら晧の手を取ると、その薄い腹のある部分に引き寄せる。
僅かに盛り上がりがあった。そっと触れながらこれは一体何なのかと晧は思ったが、刹那の内にその正体が分かって顔を赤らめた。
白い腹に僅かにだが、形が分かる程度に浮き出ているそれは、まさにいま胎内に受け入れている白霆の雄蕊だった。
(こんな……っ!)
ここまで挿入 っているのだと、白霆にもそして自分自身にも目に見えて分かってしまうことが、ひどく恥ずかしい。恥ずかしいと思うのに、確かに白霆を受け入れているのだと思うと、愛しい気持ちが溢れてきて堪らない。
「……っ、はぁ……ちゃんと挿入 ってるんだ、な……っ、んあっ……」
自分の腹越しに雄蕊の先端を優しく撫でる。
どくりと脈打った雄蕊が更に大きくなるのを胎内で感じて、晧は艶やかに喘いだ。
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