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第79話 僕は案外積極的で

 なんでも、どんなものでも、独り占めは良くない。  けれど、和磨くんのことはどうしても、独り占めしたいって、いつも思ってしまうんだ。近藤さんに、図書館にやってくる銀髪の人は有名なオオカミサンって知られてしまった時も、僕は内緒にした。会いたいと言われたら、嫌だったから。  だから、あの時だって、僕の咎める言葉の中にはヤキモチがほんの一滴くらい入っていた。  みんなが和磨くんを好きだけれど。  僕の好きな人です。  僕の。 「あっ……和磨、くんっ」  彼氏、です。 「ヤバ……」 「あ、あ、ぁっ」 「佑久さんの手めちゃくちゃ気持ちぃー……」  シャワーの水音に混ざって、僕の手が動く度に僕らの熱がクチュクチュと音を立てる。 「ヒ、ぅっ……ンンっ」  恥ずかしい、よ。  Tシャツは濡れてしまったせいで肌にピッタリとくっついていて、僕の胸のとこ。ツンってしてるのがわかってしまう。そのツンとした両方の乳首を和磨くんの両手の指が押し潰したり、カリカリって柔くちょっと引っ掻く度に僕の手の中の二人分の熱が高くなってく。 「あ、あっ」  硬くなってく。 「ひゃうっ」  蕩けてしまう。  首筋に君がキスをしてくれるだけで。 「あ、あ、あ」 「一回……このまま」 「あ、ひゃっ……あ、あ」 「佑久さん、イカせて」  ズルい、よ。  和磨くんの素敵な声で耳元でそんなこと言いながら、ツンってしてるとこ、ぎゅっと摘まれたら。 「あ、あ」 「っ」 「あ、ひゃっ、ンンンンンンっ!」  首筋、痛かった。チリチリ、って痛いのが、なぜか気持ち良くて。 「っあっ」 「すげ」 「和磨、くん」 「佑久さんの手の中、すげ、気持ちい」  痛いのに、どうしてか気持ちい。 「はぁっ」 「あ、の」 「?」  ヤキモチなんて、独占欲なんて、良くないことなのに。 「和磨くんのこと」  その気持ちがあると、もっとずっと気持ちい。 「もっと、たくさん」  だから和磨くんにも気持ちよくなってもらいたいんですと、小さく呟いて、君の頬に額を擦り寄せた。 「あっ……」  ドキドキ、してる。  久しぶりだからかな。 「ン」  ベッドに、キスをしながら押し倒されて、胸が高鳴ってる。 「佑久さん」 「ぅ、ン」 「指、入れるから力抜いて」 「う、んっ、あっ」  ヌププって、君の指が僕の中に入ってくる。 「はぁっ」 「中、すげぇ、熱い」 「う、ん」  僕、興奮してるんだ。 「佑久さん」 「ん、ふっ」  指が中を丁寧に撫でてくれる。指をいっぱいに咥えて、奥を少し広げるように撫でられてから、何度か行き来を繰り返して、その度に、気持ちいいところを一つ一つ、何度も可愛がられて、奥がどんどん切なくなる。 「あっ」  指でそこ広げられると、お腹の奥がキュンってした。  早く、和磨くんと結ばれたくて、指でたくさん撫でられたところをいっぱい、和磨くんので擦られたくて。  奥を、指でも届かない奥のところで和磨くんを感じたくて、お腹の奥がギュッてする。 「あ、も……僕の準備は大丈夫」 「けど、久しぶりでしょ? ちゃんと」 「も、大丈夫」  手を伸ばして、和磨くんのを撫でてあげた。お腹の、ギュッて、きゅんってしてる奥に届くその先端を掌で撫でてから、僕の気持ちいいところを擦ってくれる太いところを掌で握って。 「えっちな顔してる」 「あ、だって」  深く、舌を絡め合いながら、和磨くんの硬くて、そり返ってる、それ、がすごく熱くて。  だから、欲しくて。 「佑久さんの手、気持ちいーから、あんまそれされるとまたイキそ」 「あ、ダメ」 「ダメなの?」 「うん。手、で、したから、次、口で」 「……」 「したい」  僕の彼氏だから。 「あ、む……ン」 「っ、ヤバ」  僕が優しくしてあげたい。 「ン、ん……んむ」  僕が大事にしてあげたい。 「ん……ん」  僕が気持ち良くしてあげたい。 「佑久さんの口の中、あっつ……」 「ん、ンン」 「溶けそ」  和磨くんの方が熱いよ。僕の舌、蕩けちゃいそうだ。熱くて、硬くて。 「っ、佑久さん」 「ン」 「も、無理。我慢限界。佑久さんの中、入っていい?」  髪を撫でられるだけで、とても気持ちいい。 「う、ン」  返事をして、口から丁寧に和磨くんのを離すと、その優しい手に手を繋げた。 「あ、の」 「?」 「寝て、ください」 「? は? え、ちょ」 「僕が、する、ので」  押し倒して、その上に跨った。できる、かな。上手にできないだろうけど、でも、君に伝わると思うんだ。 「ぁ……」 「……佑久さん」 「あ、あぁっ」  僕は君のことたまらなく好きなんだって。 「あ、あ、あ」 「入れて、くれるの?」 「う、ん」 「すげ」 「あぁぁ」  クププッて、身体の中心に和磨くんの熱さを感じながら、腰を沈ませたら、背中がビリビリした。電気が駆け抜けて、僕の中心がいっぱいに抉じ開けられてる。和磨くんの先が僕の、君のことが欲しいってウズウズしていた奥に届いて。 「佑久さんの中、気持ちい」 「僕も」  前に上体を倒すと、自然と和磨くんのが引き抜かれてく。僕の身体はまだ君と結ばれたばかりだからもっとしたくて、キュって、その口を結んで締め付ける。 「気持ちい」  そう締め付けながら、キスをしながら、答えた。

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