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第122話 ぎゅ
すごくすごく恥ずかしいって思うよ。
でも、君のこと――。
「欲しい、です」
僕だって。
「和磨、くん」
――俺にだけ、しがみついて。
君に同じことを思ってるんだ。
僕にだけ、こうして欲しいって。僕にだけ、して欲しいって。
「あの、ね……そのまま、したら、ダメ?」
「? ……あ、は? ちょ、佑久さん、何言って」
だから、すごく恥ずかしいことだってしちゃうんだ。
ほら、避妊具をつけようとしたその手を止めて、ちょっと引っ張ってみたりして。僕に覆い被さってって、強引なこともしてみたりして。
「今日は、このままがいい、です」
「!」
「ダメ、ですか?」
四つん這いになった僕の上へ覆い被さるように重なってくれた君に、首を傾げて、頭を擦り付けた。まるで猫が「ねぇ、ねぇ」って撫でてよとねだるみたいに。
「あのねっ、そういうのはさっ、佑久さんっ」
「うん」
ちょっと僕は息が乱れてる。
重なって肌が触れ合っただけでドキドキしてたまらないから。
「ゴムなしとか軽々しくっ言わないようにっ」
「うん」
「男はねぇっ」
「うん」
思わず笑っちゃった。
だって僕も男、なのだけれど。そして、避妊具なしがいいですなんて大胆発言をした僕に少し怒った顔をして、焦ってくれる和磨くんが愛しくて。
「うん」
愛しくて笑っちゃったよ。だから、早く。
「そんなの、あんま言ったら」
ねぇ、ねぇ。
「和磨くん」
「っ」
「ん、和磨くん」
「っ、んああああ、もおっ」
「あっ」
熱いの、触れた。
「ホント……あんま煽んないでよ」
ドキドキ、した。思わず、ごくん、なんて喉を鳴らしちゃったよ。
「う、ん」
だって、僕こそ、君のこと。
「僕、たくさん煽りたい、です」
あ、入って……きた。
「そしたら、和磨くん、夢中になって、くれる、かも」
そんなことを呟いて、ちらりと後ろにいる君を見上げたら、顔が真っ赤だった。まるで真夏の日差しにのぼせてるみたいに、真っ赤で、嬉しかった。
「もう夢中だよ。つーか、っ、も、お……マジで知んないから」
「あっ、あ」
とろっとろにしたいんだ。
「あ、あ、和磨くん、和磨、く、んっ」
抉じ開けられていくだけで震えてしまうくらい。
「あ、ひゃ、あぁぁ、ぁ、ぁぁぁっ」
「っ」
「あっ」
ど、しよ。
「……すごい、熱い」
「熱いの、はっ、佑久さんの中、でしょっ」
和磨くんの体温とくっついてるの、嬉しくて、どうしよう。
きっと和磨くんも同じこと、思ってくれてる。
「あっ、ひゃっ……あぁ」
「っ」
そんな顔して、くれてる。
「あ、あっ、和磨、くんっ」
「っ」
切羽詰まった感じの、眉のとこをぎゅっとさせて、夢中な顔。
「あ、あぁっ」
腰をしっかり持たれたのも、揺さぶられて、たくさん激しくされるのも、全部に心臓が飛び跳ねる。全身がドキドキしてる。頭のてっぺんからつま先まで全部丸ごとで和磨くんを感じて。
お腹のところがキュってしてる。
「あ、あぁっ」
シーツをぎゅっと握った僕の手に手を重ねてくれるのが嬉しい。
手で、腕でしっかり捕まえられてるのが、嬉しい。
「っ、佑久さん」
切なげに僕を呼んでくれる声に振り返ると、そのままキスをしてくれて、奥がキュンキュンってした。
「すげぇ、好き」
「う、ん、僕も、あ、あ、あ」
和磨くんが来てくれる度に溢れて溢れる甘い声の合間に一生懸命に答えた。
「う、んっ、和磨っ、くんっ」
熱くておかしくなっちゃいそうだ。
「あぁっ」
中、擦り上げられると頭の中が真っ白になる。そこ、たくさんされちゃうと何も考えられないよ。
「ひゃ、っう」
「佑久、さんっ」
「あ、あ、あ、和磨、くんっ」
気持ち良すぎて、ぎゅっと手を握った。後ろからたくさん抱き締めてくる和磨くんの切なそうな表情に胸のところ、気持ちがじんわり痺れてくのを感じながら、奥まで熱いのが来て。
「あ、和磨くんっ」
引いて。
「あぁっ」
また、来て。
「あ、ダメっも、僕っ」
「う、ん、中がキュンキュンしてる」
「うん、和磨くん、の、欲しっ」
小さく呟いて、全身で、和磨くんにしがみついた瞬間。そのまま、上半身捻って君の切羽詰まった表情にキスをしながら。
「っ、あぁっ」
奥、溶けちゃうかと思った。
「っあっ…………っっ」
中でドクドクって脈打ってるのを感じる。
「っ、佑久さん」
「う、ん」
和磨くんのを感じる。
「あとで、ちゃんと俺がケア、するから」
「和磨くん」
「ね? 俺、そもそも佑久さんにすげぇ夢中なんだってば」
あ……すごい、中で、まだ。
「なのに煽ったりするから」
あ、どうしよう。
「まだ、足りてない」
うん。
「あとで怒っても、俺、知らないからね」
うん。
「セーブしないから」
うん。
「佑久さん」
あ、嬉しい。
「ぁ……あぁ」
繋がったまま、足を抱えられて、体勢が変わって。今度は向かい合わせで抱き締めてもらえた。
嬉しいよ。
僕、今ね、今度は和磨くんの顔見ながら、したいなって思ったから。
「ひゃぁ…………ん」
奥に和磨くんのが突き刺さって、蕩けた声が零れた。
「あ……あ」
「俺がすっげぇ佑久さんのこと好きなの、わかってないでしょ」
「あぁっ」
中が和磨くんの熱で濡れてて。
「あ、和磨くんっ」
「マジで本当に好きだから」
「あ、あ、あぁっ」
「会えないのとか、無理なくらい」
「あ、ンっ、和磨っ、くん」
「マジで好き」
「あ、僕も」
「っ」
ぎゅってしがみついた。部屋に、濡れた音がたくさん響いて。僕の身体が和磨くんのベッドに沈むくらい激しくて。
「ホント、キャラ合わないけど」
「あぁっ」
君のシーツがクシャクシャになっちゃうのも構わず、抱き締めてくれる腕にしがみついて離さない。
「愛してるよ」
「っ」
「だからさ」
嬉しくて胸が熱くて、言葉が上手に出て来てくれなくて、ただしがみつこうと伸ばした手を和磨くんが掴んだ。
「一緒に住もうよ」
そう言って、掴んだ僕の手の甲にキスをしてくれた。
「一緒に住みたい」
そう言って、今度は僕の手を自分の首に回させて。
「うん、って言ってよ」
「あ、あ、あ、あ」
激しく奥まで何度もするから、返事できないよ。
ねぇ、和磨くん。
「ずっと、一緒にいたいんだ」
僕もそうしたいです。
君と離れたくないし、一緒にいたいです。
ねぇ、そう言いたいのに。
「佑久さん」
だから、いっぱい頷いた。
「佑久さん」
いっぱい手でしがみついた。
「ぅ、ん」
君のことが大好きで、離れたくないくらいだって伝わるように。
ほら、君のがすごく熱いのをすごく感じられるくらいに締め付けてる。
ね?
「僕、も」
ね?
僕も愛してますって伝わるように、キスをした。
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