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第130話 僕らは一つ

 銀色の髪が、好き。 「ひゃ……うっ」  長い指が、好き。 「あっ、っ、そこ、はっ」  声も、仕草も、何もかも。君のことが、とても好き。 「佑久さん、まだ酔ってる? 肌、すげぇ熱い」 「あっ、も、酔って、ない……よっ、ひぅっ」  肌が熱いのだって、君のことがどうしようもないほど好きだからだよ。  唇に胸のとこ、キスされて、つま先にキュッと力が入ったのだって、好きで好きでたまらない人とこうして触れ合ってるからだよ。 「そ? けど」  首筋を指で、手で、撫でられて、きゅうって、お腹の下の方が勝手に締め付けられてく。  こんなこと初めはなかったこと。重ねて、重ねて、僕の身体が君のことを覚えて、こうなっちゃったんだ。この行為がどんなに気持ちいいのか、僕の身体の奥が覚えたから、こうなるんだ。 「佑久さん、なんか、すげぇ」  すごく感じる。 「だって、っ」  身体を重ねるでしょう?  一昨日もした、でしょう?  一昨日のもとても気持ち良かった。  昨日はしなかった。僕が遅番だったし、和磨くんは大学のレポートやりながら、次の配信のために曲のアレンジしてたから。そんな昨日も僕らは嬉しくて、幸せで。  そんな一昨日があって、そんな昨日があって、そしたら、今日がすごく感じる。一昨日よりも、すごく感じてしまう。 「ひゃっ、うっ、あっ、っっっ」  一昨日よりも。 「佑久さんってさ」 「?」 「こういう時、すごいエロいよね」 「ひゃっ?」  すごく気持ちいい。 「敏感だし」 「あっん」  乳首にキスをされると腰の辺りがじんわり熱くなって、切なくなるんだ。和磨くんにこうしてもらえるまでは胸に触れても何ともなかったのに。ただの平べったい胸、だったのに。  もう、全然違うんだ。指で摘まれると、信じられないくらい甘くてとろけた、なんとも言えない気持ちになってくる。 「声がさ、すげぇ色っぽくて」 「あぁっ……っ、ン」 「表情も、やばい」  和磨くんにたくさんしてもらいたくて、だから、なんでもできてしまいそうな、変な気持ち。  普段の僕なら絶対にありえないような甘い甘いシロップにでも浸したような気持ち。  奥が切なくなって、そこを和磨くんに可愛がられたいような、いじめられたいような、とにかく、そこが和磨くんのこと欲しいってうずうずするんだ。  散々、胸にキスをされて、そんな甘くとろけた気持ちがもっとホロホロに解けて、恥ずかしい、とかも溶けてきた。キスマークもたくさん欲しくて、でも、唇にキスもしたくて、じっとしてるとおかしくなっちゃいそうなくらい感じてる。そんな僕に和磨くんが小さく笑ってキスをくれた。  胸に、肩に、鼻先に、おでこにキスをしてから身体を一度起こして、ひとつ、深呼吸した。 「待ってて」 「ん」 「指輪、外すから」 「あ……ぅん」  指輪を外したら、きっと中を撫でてほぐしてく。僕は頬を火照らせながら頷くと、自分の胸に手を乗せて、ぎゅっと握った。   「? 和磨、くん?」  その様子をじっと見てた。 「これ、佑久さん」 「?」  とてもかっこいい指輪なんだ。和磨くんにすごく似合ってて、無骨な感じで、重量感がすごくて。デザインもすごく凝ってる。一つ一つが重そうで。  そのうちの一つ、冠がデザインされていて、青と黒が混ざったような石がたくさん、ミニチュアの王冠に施された指輪を和磨くんが僕の指にはめた。 「っぷは、やっぱ、サイズデカくて合わないね」 「……」 「そのうち買おうね」 「……ぁ」 「お揃いのやつ」 「あの」 「俺、佑久さんとずっと一緒にいたいからさ」 「あっ……あぁ」  僕も、だよって言いたかったのに。指輪を全て外した君の長い指が僕の中を撫でてしまったから、ちゃんと言えなかった。 「あぁっ」 「佑久さん」  気持ち良くて、言葉じゃなくて甘い声が溢れて、零れた。 「すげぇ好き」 「あ、あ、あ、あっ……和磨く、ンンっ」  言いながら、たくさん僕の内側を撫でて擦ってく。濡れた音と一緒に僕の奥のとこが濡れてく感じがした。じわって熱が広がって、溶けてくような。 「僕も、好き」  あ。 「っ、佑久さん、挿れるよ」  本当だ 「ぅ、ん……あ」  和磨くん、髪、伸びた。 「あぁっ……あ、あ、和磨くんっ」  かっこいい。ほら、髪が伸びてなんだかとてもセクシーだよ。ドキドキする。僕はこんな魅力的な人に組み敷いてもらって、大事に、優しく抱き締めてもらえるんだ。  すごく気持ち良くて、たまらない。 「あぁぁぁっ」 「っ!」  嬉しくて、たまらない。 「っ、やば……佑久さん、挿れただけでイッた」 「あ……だって、すごく熱い、和磨くんの……ン、ふっ……んんっ」 「っ」  その首にしがみ付いて、ぶら下がるようにしながら薄く口を開いて、名前を呼んだ。 「ふ……ん、ぁっ……ン、ん」  その声ごと食べるみたいに和磨くんが唇を重ねてくれて、舌を絡ませてくれる。 「ンンっ……ふっ……ん、ン、かず、ま、くぅ……ン」  キスを交わしながら、奥をトントンされる。極まったばかりで敏感な僕の中を濡れた音を立てながら擦り上げて。 「あ、あぁっ……ふ」  撫でて。 「あ、あ、あ、ダメ、奥、和磨くんっ」  突いて。 「やば、すげ……気持ちい」 「あ、あ、あ、僕も、すごく」 「気持ちい? 佑久さん 「う、ん」 「ここ」 「あぁ、そこ、や、だめ、そこ、はっ」 「こっちも」 「ひゃっ、う、あ、待って」 「キスマ」 「あ、あ、あ」  奥をトントンされながら、背中を丸めた和磨くんが僕の肌に小さく噛みついて、その刺激に僕の内側がきゅぅって切なく締め付ける。君の大きさを確かめて、撫でて、扱くみたいに、ぎゅってしがみ付いて。 「すげ」 「あ、あ、あっ……」 「佑久さん」 「ひゃ、あ、あぁっ」 「ね」 「あ、奥っ」 「い?」 「うっ、ん、あっ、い、よ」  ぎゅって掴まった。 「奥、まで」 「っ、佑久さん」 「あっ、ぁっ…………っ、っっっっっっ」  奥のとこ、一番奥で、一番の僕の中心に近いとこまで和磨くんの熱が届く。 「あっ」 「っ」  熱くて、硬くて。僕の内側に和磨くんがいて、繋がっていて。 「和磨くっ……ぁ、あ、あ、ダメっ、も」  僕らが一つになっている。 「あぁっ」 「佑久さん」 「あ、あ、あっ」 「佑久」 「!」 「すげぇ、好き」 「っ、あっあ、あぁぁぁぁっ」  僕らは「愛」を抱き締めている。

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