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メリークリスマス編 18 不思議がいっぱい
昨日も、一昨日だってしたのに、今日もしたいなんて、不思議だ。
満たされないからじゃない。昨日も、一昨日も胸がいっぱいになるくらいに満たされているのに、またしたいと思うなんて、不思議だ。
「あ、和磨くんの、欲しい、ょ」
セックスって不思議だ。
「まだもうちょっと解す」
「あ、あ、指、気持ち、ぃ、から、出ちゃうっ」
そんなところを触られてて、裸で、こんな格好して、すごくすごく恥ずかしい行為なのに、愛おしいっていう気持ちが膨らむなんて、不思議だ。
「あ、指、で、そこ、したら、ダメ、出ちゃうっ、気持ち良くて、出ちゃうっ」
「っ」
「あ、ダメ、ダメっ」
ダメって言いながら、決して、ダメなんかじゃなくて。
「あ、あ、あ」
「佑久」
「あ、イクっ、っっっっっ」
もっと君のことを感じたくなる。指でこんなにおかしくなっちゃいそうなのに、もっと奥で、もっと熱いので、もっと君でいっぱいになりたくてたまらなくなるなんて。
「っ、あっ…………っ」
「佑久」
「ぅんっ」
セックスは不思議なことだらけだ。
「次、僕がする」
「え、俺は」
「する。したい、です」
「っ」
「ん、ぁむ……ン、ン」
口に含んで、たくさん舐めて。不器用だけれど、でも口いっぱいに頬張って、頬の内側で扱していく。唇で締め付けるようにしながら何度も、君のにキスをする。
すごいところに、すごい格好でキスしてるって思うけれど。
「っ、佑久」
「ん、ン、ンンっ」
「やば、それ」
「ん、ん、ン」
「っ佑久、顔、こっちに向けて」
優しい手が僕の髪を撫でてくれた。その手に夢見心地に蕩けながら、顔を上げると、目が合って。
「ン」
その瞬間、君のが口の中で大きくなった。ムクムクって硬さが増して、喉奥を少し突かれた。
「ン、ん」
僕が君のことを気持ちよくさせてあげてるのに。
「ンン」
僕も気持ちいい。
頬の内側を硬いところで撫でられて、とろんとしてしまいそうな僕のことを見つめられてる。恥ずかしいっていう気持ちは羞恥心でしかないはずなのに、快感に変わってしまう。
「っ、佑久、も、口、離していいよ」
「っ、あ、待っ」
「っ」
まだ口でしたかったのに。
「はぁ、も、マジでさ佑久」
「あっ」
「色っぽすぎ」
「あっ」
「マジで、あんま成長しないでいいよ」
「え、あの」
「閉じ込めたくなるじゃん」
「あっ、ンっ」
僕が口で君のこと気持ちよくさせてあげるはずが、僕も一緒に気持ち良くなって。なんだかとろとろにふやけてしまいそうで。ちっとも僕には色気なんてものないのに、君は僕が色っぽくて困るって、言ってくれる。成長なんて、大人の僕はとっくに止まってるのに、君の方がもっとずっとなんだってぐんぐん高く、大きくなっていくのに。閉じ込めて、誰にも、「オオカミサン」が大好きな人たち全部から君のこと独り占めしたいのを堪えてるのは僕の方なのに。
「あ、待って、和磨、くんっ」
「むり、も、佑久がエロ可愛いから無理」
「あ、あの」
その手をぎゅっと握った。
「今日は、クリスマスなので」
「……」
「とっ、特別な日だと思うので」
「……」
「ゴム、しないでいい、です」
「っ」
「このまま、わ、ひゃあああ」
このまま君と繋がりたい、避妊具なしで、お願いしますなんて、恥ずかしくてたまらないことを言ったのは僕なのに。
僕を押し倒した君も真っ赤になっていた。
「ほっっっっんとうに、マジで、佑久っ」
「あっ」
和磨くんの、が。
「マジで、困る」
「あ、和磨、くんっ」
入って。
「すげぇ、好き」
「あ、あっ、ンっ……あ、あっぁっ」
「っ」
「あぁぁぁぁぁっ」
ね、不思議だ。
「っ、佑久、挿れただけで、イッちゃった?」
「あ、だって、和磨くんの、熱くて、あ、あ、待って、僕、今、大変っ」
「止まんないかも」
「ひゃあ、あ、あ、そこ、だ……め」
「佑久」
繋がると息するのが大変なくらいに君でいっぱいになって苦しいはずなのに。
「あ、あ、イ、ク、また、イッちゃう」
気持ちいい。
「佑久」
「あ、和磨くんっ」
「うん」
すごく激しくされても、優しさを感じる。
君が激しく突き上げてくると、わけがわからなくなっちゃうのに。君のことがたまらなく好きっていうのがすごくわかる。僕は君のことが好きで好きでたまらないってわかる。
「佑久」
「あ、そこっ、だめ、っ」
だめなのに、良くて。
「あ、待っ」
待ってって言ってるけど、もっとして欲しくて。
「あ、好きっ、和磨くん」
「佑久」
僕の名前だけを何度も呼んでいるだけなのに、好きだよって言ってもらえてるって感じる。
君が僕のこと、好きって思ってくれてるって、わかる。
「佑久」
「う、んっ、うん」
身体を繋げながら、和磨くんが背中を丸めて、僕に覆い被さると、おでこ同士をくっつけた。
「一緒にイける? 佑久」
「う、んっ、うんっ」
「一緒にいこ」
「あ、あ、あ」
やっぱり、セックスは、不思議だ。
とても恥ずかしいけれど、すごい格好ですごいことをしているのに、愛しさばかりが溢れ出てくる。
「あっ、イクっ、和磨っ、くんっ、あ、あ」
「っ、佑久」
「あ」
こんなに気持ち良くて、こんなに満たされて、注がれた気持ちと熱は溢れちゃうくらいなのに。
「あっ……熱、ぃ」
「佑久」
お腹、いっぱいって思うくらいなのに。
「和磨くん、大好きだよ」
「っ」
「好き、すごく好き、好……っ、あ、待って、今、動かしたらっ」
「無理、佑久が可愛いから」
「ひゃ、あっ」
「まだ離してあげらんない」
「あ、あ」
まだ、もっと、君とセックスしたいって思うんだ。
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