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第8話

「着替えはあのクローゼットの中ですか?」 「あ…寝るときに着るのは干しっぱなしで……そのまま……着る…かりゃ……」 ああ、もう半分眠ってしまっている。 洗濯物は隣の部屋に干してあった。 ワイシャツと下着や靴下以外はパジャマがわりの部屋着だけだ。ここ数日の大浦さんの忙しさがよくわかる。 パンツは……ボディワイルドの黒とグレーばかり。サウナでもグレーだった。意外だな。 大浦さんならピンクやライトグリーンなど攻めた色を穿いてそうなのに。 あ、一枚だけスカイブルーが。 ……はっ、もしかしてグレーやブルーだと大浦さんが大好きな放尿プレイの時にシミがわかりやすいとか……そういう……。 いや、それなら白にするか。 ああ、明朝の放尿プレイへの不安で余計なことばかり考えてしまう。 今はそんなことよりお着替え、お着替え。 シンプルなTシャツとスウェットのハーフパンツを選んでベッドルームに戻ると大浦さんはすっかり寝入っていた。 チュッとひたいにキスをして、適当に巻かれていたネクタイを(ほど)く。 シュルッという音に心が弾んだ。 ああ……いつかこうやって大浦さんのネクタイを解いてみたいと思ってたんだ。 「ふっ…ふあ?」 シャツのボタンを開けていると、大浦さんがうっすら目を開いた。 「着替えこれでいいんですよね。今夜はもう着替えさせるだけにしますから安心して寝てください。 「ん……わる…ふぃ…」 よかった、イチャエロを朝に先送りにしてしまったことを、大浦さんも少しは悪いと思ってくれているらしい。 「僕も大浦さんのTシャツ借りていいですか?」 「いい…ん……ミズホく…ん寝る……場所…」 大浦さんがポンポンとベッドを叩いた。 「大浦さん…なんて可愛らしい。ええ、あなたの隣で……」 「ん……」 どちらにしろ同衾するつもりではあったけど、改めて隣に寝ろよと言われると心が沸き立つ。 ああ……なんてラブラブなんだ。 大浦さんのワイシャツの胸をはだけると、先ほど敏感な反応を見せてくれた乳首が顔を出した。 「サウナでも思ってましたけど、かわいらしい乳首ですね」 「……ん……あり…と…?」 プニュンとした先端のくぼみがキスをねだる唇のようだ。 これを間近で見てしまって、ふれないでいるというのは難しい。 「後でまた味見させてもらっていいですか?」 「……ん……?」 曖昧な返事だけど拒む風ではない。 「今夜はそれだけで。続きは朝にさせてもらいますね」 「ふ…ん………」 鼻息で返事を返す大浦さんの頬が幸せそうに緩んだ。 つられて僕の頬も幸せに染まる。 「おやすみなさい、大浦さん」 「………み……クゥ……」 寝息混じりの挨拶とともに、唇が小さくすぼめられた。 それが大浦さんの乳首のイメージと重なり、僕は当たり前のように唇を寄せていた。 チョンと唇が触れただけで、すぐに大浦さんの口は僕を迎え入れてくれる。チュッと軽く吸われ大浦さんの舌がトゥルリと侵入してきた。 舌先で口内を誘うようにくすぐられ、鼻を抜けた快感が背筋を突き抜ける。 大浦さん……キスが上手くてエロいなぁ……。 我慢をしていたけど大浦さんの胸に手を伸ばすのを止められなかった。 「…ん…ンァ……」 乳首をつまんでヤワヤワと捻ると、大浦さんの唇から甘すぎる喘ぎが僕の口に注ぎ込まれる。 この声はヤバい……。僕の体に甘く疼く快感が走った。 「…そんな可愛い声、ダメです。眠らせてあげたいのに、眠かせたくなくなるじゃないですか……」 「…やぁ……ん……ふ…」 首に絡みつく大浦さんの手がぐっと強くなり、もう片方の手が(なまめ)かしく僕の髪をかき混ぜる。 『やぁ……』というのは、我慢しようとする僕へのダメ出しだろうか。 コリコリと勃ち上がった乳首に指をからめ、もてあそぶ。 「ぁうん……」 もっととねだるような大浦さんの吐息と、しっとりとした肌の感触。 大浦さんに触れる僕の指先にもビクビクする甘い快感が伝播する。 ボタンを全て外し、ベルトを外すと大浦さんのモノが緩く反応しているのがわかった。 「大浦さん……乳首だけでこんな風になったんですか?」 嬉しくて下着の上から手を這わすとかすかに先端のヌメリを感じた。 クチュクチュと下着の上からこねる。 けど……ここは…ダメだ。 幅広なゴムが侵入を拒むココを暴いてしてしまったら、もう僕は我慢できない。 そして寝込みを襲えば恋人への道は遠のく。 朝だ……朝に…。 けれど視線をずらせば胸をはだけ腕にシャツを絡ませた半裸の寝姿。 はぁ……ダメだ……はだけた白シャツは何度見てもダメだ。 この寝乱れ感。 脱げかけをキープしたままイタズラしたい。 欲と野心…いや純愛のギリギリの戦いだ。 けど、これだけ。 ちらりとゴムを引いて中を覗く。 ……はぁ……覗くんじゃなかった。 先端からジワリ液が染み出した半勃ち濡れ濡れチンコが、舐めて♡ふれて♡可愛がって♡と僕を誘う。 くぅっ……挿入は我慢できるのに、おさわりを我慢するのは……。 大浦さんのチンコを見つめ、額に大量の汗が滲み手がブルブルと震えるほど激しく葛藤をした結果、どうにか、本当にどうにか自制し目をそらすことができた。 けど、やっぱり欲望は収まらない。 レイプ犯か、恋人か。 その分かれ道だと思えば、朝までのほんの数時間くらい我慢できるだろ? そうだ、道を誤るわけにはいかない。早く着替えさせてしまおう。 大浦さんのスラックスを脱がせ、ハーフパンツを穿かせる。 これでなんとか濡れチンコの誘惑を断つことができた。 次は萌え萌え乱れ白シャツを脱がせ………る前に、シャツ越しに乳首をしゃぶらせてもらい、シャツに透ける乳首を堪能した後、ささっとTシャツを着せた。 はぁ……困った。部屋着の大浦さんも新鮮で可愛らしく見える。 大浦さんを見てると欲望が次から次へと湧いてきて追い詰められるばかりだ。 もう眠ってしまおう。 着替えるために自分のネクタイを抜き取り、パパッとシャツのボタンを外す。 「……それ……どした?」 「え……?」 寝ていたはずの大浦さんが上体を起こして僕の胸元を覗き込んでいた。

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