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第2話
死ぬ人間は顔が真っ青になっていて、とても人間には見えなくなってしまう。
見慣れた今でも一瞬ドキッとするその姿を、ガキの頃のおれは怖くて忘れたかったのだろう、だから記憶がどこかあやふやなんだと思う。
このチカラは父方の家系が代々受け継いできたもので、チカラの強い者は今では絶滅してしまったエゾオオカミの姿になって死期が近い人間を見つけてあの世にちゃんと送り届ける役目を果たすという使命があった。
死神。
おれはそんなチカラだけでなく、一族の中では50年に一度の割合で産まれるという、両性具有という性別がどっちなのか分からないカラダで産まれてきていたりする。
家庭事情、そして普通では有り得ないチカラとカラダ。
おれを取り巻く世界は普通じゃない、というのを少しずつ理解してきた頃、おれの運命を決定づける出来事が起こった。
この辺りから。
おれの記憶はあやふやじゃなく、はっきりしたものが増えてきた。
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