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第7話
「良かったじゃない。あたしに似て美人だからね、アンタは」
その度に母親に相談すると、母親は勝ち誇った顔をして言った。
この頃には自分を取り巻く世界の事を完全ではないが理解していた。
父親が死神としての能力は高いものの自由奔放過ぎて一族からは嫌われている事、女性関係の付き合いが派手な事、母親が未婚でおれを産んだ事。
「あたし、死神の話を聞いたら関われないって思っちゃったの。でもね、父ちゃんはあたしのこともアンタの事も一生守るって言ってくれてね、だからあたしはこうして店出せてるし、アンタに苦労させる事なく暮らしていけてるの」
母親はおれが小学生の頃から自分の名前が店名のスナックの経営を始めて、田舎で集まる場所も少ないからか結構客が来ていた。
おれも中学になってからたまに手伝うようになって、酔っ払った客が小遣いだと言って金をくれる事もあった。
そこに。
顔が真っ青な人間が来たら、おれはすぐ父親に連絡していた。
おれには絢人のようなチカラがないままだったからだ。
それでも父親はおれを褒めてくれて、父親が来た夜は母親と3人で過ごした。
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