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第18話
「は……あぁ……ッ……」
何度も想像していた事は想像していたよりも遥かに気持ち良くて、その余韻に浸っていると絢人がおれが出したモノを舐めとり始める。
「な……ッ、何してんだ……!?」
「何って……後始末ですが……」
「やめろっ、ティッシュでいいだろ」
「勿体ないです。兄上様が初めて俺とのキスだけでイッてしまわれた記念すべき証ですから」
「……ッ、馬鹿か、お前は」
と口で言ってはいたが、おれのカラダはそれにも心地良さを覚えていた。
「兄上様がこんなにもお可愛らしいのがいけないんです」
「はぁ!?」
真顔で言う絢人に、おれは何言ってんだという顔をしてしまったと思う。
「兄上様、俺は、絆結の儀を結ぶ前からずっと兄上様の事をお慕いしていました。だから、絆結の儀を結べて、その事について父上様から教えて頂いた時は嬉しくて堪りませんでした……」
そんなおれを、絢人は抱き締めながらこう言った。
「絢人……、その、絆結の儀って……」
「兄上様は何もご存知ではないんですね……」
と言って、絢人はおれに、おれたちの身に起こった事を話してくれた。
あの時、おれたちは家を守る為、チカラを持った子孫をひとりでも多く残す為の契約……絆結の儀を結んだ事、その証がおれの舌にある痣で、そのせいで俺のカラダはたまに発情してしまい、契約した絢人でなければ鎮められない事、おれのカラダは子孫繁栄の為には最良である事。
おれが聞かなかったのも悪かったのかもしれないが、父親がそれらをおれにちゃんと話して来なかった事に多少の憤りは感じつつも絢人を一生支えていって欲しい、と言う意味をようやく理解出来た。
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