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第25話
『兄上様』
擦り寄ってくるカラダの毛並みが心地良い。
「凄いな、お前は。ガキの頃も泣きながらやってたけど」
『その頃の事はよく覚えてないのですが、兄上様に抱き締めて頂いてとても安心した、という事は覚えています……』
少しずつ、絢人の姿が戻っていく。
すると、絢人は興奮した様子でおれを抱えて走りだした。
「お、おい、何やって……」
『申し訳ございません、兄上様。いつもならば父上様の様にすぐ人間の姿に戻れるのですが、カラダが言う事を聞きません』
家の裏にある人気のない森の中に連れてこられると、背の低い草むらに押し倒される。
『父上様が仰っておられました。俺は絆結の儀の影響で兄上様と共に仕事をした後は兄上様にお力をお借りしなければ元の姿に戻れない、と』
低い唸り声を上げると、絢人は鼻頭をおれの口に押し付け、舌で触れてきた。
「ん……うぅッ……!!」
口を開くと、唾液で濡れた舌がおれの咥内に入ってくる。
長いそれは全部は入らなくて最初はすごく息苦しかったが、絢人が狼から人に戻っていく中で徐々に短くなっていった。
「兄上様、あにうえさま……」
苦しそうにおれを呼ぶ絢人を抱き締め、昔みたいに色が変わり毛から髪へと変わっていく頭を撫でた。
「っぁ、あぁぁ……ッ……!!!」
そうしているうちにカラダが火照ってきて、そんな時に絢人に首筋を噛まれたおれは大声を上げてしまう。
「申し訳ございません、兄上様の綺麗なお身体に傷をつけてしまいました」
見上げたその先にあった絢人の口の端にはおれのだと思われる血がついていて、少し開いた口からは鋭利そうな歯が覗いていた。
「気にすんなよ。おれ、女じゃねぇし。それに……おれのカラダはお前のものなんだろ?」
「兄上様……」
血を拭うように、おれは自分から絢人にキスをした。
「ん、ンん……ッ、あぁ、、、」
すぐに舌を絡ませあうと、気持ちが良くて下腹部が疼いてくる。
だが今は絢人を何とかしてやらねぇと。
おれは毛が少なくなっていき裸になっていく絢人の股間に手を伸ばしていた。
「!!!」
触れたモノはおれに備わっているモノとは全く別のサイズ感で、おれが握り込むとビクン、と震えた。
「……抜いたら元の姿に戻るのか……?」
「分かりません。ですがそんな事を兄上様にして頂くのは……」
「お前、昼間おれにしただろ?これでおあいこだ」
カラダを起こすと、おれはガチガチになっている絢人のに口を近づける。
「ふ……んぅ……ッ……!!」
ソコから漂う独特な匂いが鼻腔をくすぐり、胸が高鳴ってしまう。
今までの舐められた経験から、絢人はどこを舐めたら気持ち良いのかと思いながらあちこち舐めてみる。
「……ッ、兄上様っ、可愛い、気持ちいいです……」
いつの間にか絢人の亀頭の割れ目から液体が滲み出ているのを見つけたおれは、先端だけだが口に含んでいた。
「ん……ぐぅ……ッ……!!」
根元を掴んで自慰をするように手を上下に動かしながら口の中で括れた部分を舐めてみたり、吸い上げてみたり。
初めての行為に絢人が気持ち良いのか気になってちらりと様子を伺うと、絢人は余裕のない表情を浮かべながら荒い呼吸を繰り返し、時折いやらしい声を出した。
あぁ、気持ち良いのか。
良かった。
おれは嬉しくなって、絢人をイかせてやろうと思い、行為を続けた。
「ぁ……ッ、あにうえさま……っ、も……でます…っ、、、!!」
やがて、絢人はおれの口いっぱいに精を放ち、それから程なくして元の姿に戻った。
「はぁ……っ、申し訳ございません、気持ち良くてたくさん出てしまいました……」
最後に喉の奥近くまで絢人のを入れられていたおれは苦しかったが鼻で息をしながらなんとか全部飲み込んだ。
それからおれは家の方に向かって走り、狼に変身した事で裸になっている絢人の服を回収し、絢人が着替えてから部長がいる場所に戻った。
部長の事はタクシーが来る間に急に倒れ、救急車をすぐに呼んだが到着した時には既に心臓が止まっていた、という事でおれたちの仕事は終わった。
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