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第28話
「父上様から、人生何事も経験だから生理的に無理って思わない限り色んな子と付き合ってみろ、と言われていたので俺を好きになってくれた方とお付き合いをしました。こういう事もそれなりにしたと思いますが、俺はずっと、兄上様と初めてキスしたあの日の事が忘れられなくて、頭の中で兄上様を犯している時が一番興奮しました……」
「ゔ……ンん……ッ……!!」
指で半ば無理矢理口を開けさせられ、痣のところに触れられると、カラダが急激に熱くなって午前中みたいになった。
「ずっと思い描いていた兄上様の姿が想像以上に淫らで美しくて、それで欲情するなと言われても無理です」
そう言って、絢人は痣を指で撫でた後、舌で撫でてきた。
「は……あぁ……ッ……」
あぁ、気持ち良い。
頭がぼーっとしてきて、何も考えられなくなって、もっともっと絢人と触れ合っていたくなる。
唾液の混ざり合う音と、おれと絢人の息遣いが部屋の中で響いているように聞こえて、それらがおれを一層興奮させた。
「兄上様はどうだったんですか?」
「お…おれも、親父に言われてたから女の子とは付き合ったり、それなりの事はしてたけど、お前のとの事が忘れられなかった……」
頭が働いてなくて、本音をそのまま伝えると、
「兄上様も同じ気持ちでいて下さっていたなんて、すごく嬉しいです」
と言って、絢人はおれを抱き締めてくれた。
そうして身体が触れ合うと、絢人も興奮しているのが分かって、おれはソレが欲しいと思ってしまう。
「大好きです、兄上様」
「……おれも、絢人が好きだ」
だから、おれを抱いてくれ。
と、おれは欲望のまま絢人に向かって言ってしまった。
「兄上様から誘って頂けるなんて、こんなに幸せな事はありません」
そう言って絢人がスウェットを脱いだのでおれも脱ぐと、絢人に尻を見せて欲しいと言われた。
恥ずかしかったが、おれは四つん這いになって腰を高く上げてみせた。
「ふふっ、兄上様のお尻、たわわに実った白い桃みたいで美味しそうです」
尻を撫でられ、むにむにと揉まれたあと、また太腿に跡をつけられた。
「俺、見つけてしまったんです。兄上様が隠していらっしゃる大切な物を……」
と言って、絢人はおれの視界に引き出しの奥にしまっていたローションと玩具を見せてくる。
「な……っ、お前、何勝手に引き出し開けてんだよ」
「申し訳ございません。兄上様の事、何でも知りたくて兄上様がシャワーの間にお部屋の中を色々と漁ってしまいました」
反省している様子を見せたかと思えば、絢人はおれの尻に顔を近づける。
その息がかかると、おれは背筋がぞくぞくしてしまった。
「女性とお付き合いされた、と仰っていましたが、こちらはまだ誰も知らないのですか?」
「は……ぁッ、あぁッ、そうだ、こんなコトするのはお前がはじめて……んぁぁっ……!!!」
孔にキスされて、舌を入れられて。
初めてなのに、絢人にされてるからなのかおれは声が抑えられなかった。
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