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第36話

ヤッてたせいで少し煮詰め過ぎてしまったというカレーはおれ的には美味しくて、普段あまりしないおかわりをするくらいだった。 「兄上様に喜んで頂けて嬉しいです」 絢人は食後に昼間買ったクッキーとコーヒーも用意してくれて、カレーで腹がいっぱいになっていたのでクッキーはひとつだけ食べたが、少し塩味があって美味しかった。 その後ひとりずつ風呂に入る事になり、先に入らせてもらったおれは絢人が入っている間にスマホを見ると、未読のメールの中に母親からのメールと共に明日の午後、体育館を借りられたからバレーボールをしよう、という連絡が来ていたのを見つけた。 「絢人、昨日話したバレーボールの事なんだが……」 風呂から出てきた絢人に話をすると、絢人は、 「早速参加出来るなんて嬉しいです!!ぜひご一緒させて下さい!!」 と言うので、体育館を借りてくれた奴に絢人の 事、一緒に行く事を伝えた。 その後は流石にセックスはせず、絢人がソファで寝ておれが絢人のベッドで寝かせてもらい翌朝を迎えた。 「初めてのお給料が出たら兄上様と一緒に寝たいのでベッドを買い替えるお金に充てます」 絢人は昨日の残りのカレーをドリアにして出してくれた。 それを食べているとこんな事を言い出したので、おれは、 「それならおれが出す。金ならそこそこあるし」 と言葉を返したが、絢人がすぐに、 「いえ、俺に出させて下さい。お願いいたします」 と強めの圧で言ってくる。 「お前がそれでいいなら……」 「はい!その時は兄上様と一緒に選びたいです!!」 「……分かった」 ガキの頃の面影が残る笑顔を見せる絢人に、おれもつられて口元を緩ませてしまっていた。

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