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第53話

食後。 使った食器を洗って片付けて少し休むと、おれは絢人にマッサージをされていた。 最初はスウェットの上から普通にカラダを解してくれたが、うつ伏せになって下半身のマッサージが始まった辺りから様子がおかしくなっていった。 一通りマッサージしてくれた後、絢人はおれからスウェットの下と下着を奪う。 「おい、何やってんだ」 「申し訳ございません。兄上様の美しく色っぽいお尻と太腿が見たくなってしまいました」 「……ッ、ふざけんな、風邪引くだろ」 「そうなったら俺が看病しますから」 「そういう問題じゃねぇし」 素肌を晒されてヒヤッとしているところに、絢人の温かい手が触れる。 「お肌の美しさといい弾力といい太さといい、最高です」 絢人の感嘆している声と共に聞こえてきたのはスマホのシャッター音。 「おい、勝手に撮るな」 「俺しか見ないので大丈夫です」 「だからそういう問題じゃねぇって」 「兄上様、もう少しだけ眺めさせて下さい」 「眺めるだけじゃなくて触ってんじゃねーか」 優しく撫でられているのは嫌じゃないが、それを言ったら絢人が調子に乗りそうなので言わなかった。

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