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第69話

早く帰りたい。 さっき我慢させてしまった分、帰ったら絢人を悦ばせたい。 そんな事を思いながら仕事をしてしまっていたものの、何とかやり過ごす事が出来た。 仕事が終わったのでその旨を伝えるメッセージを絢人に送ったが、駐車場に着くまでに返信はなかった。 先に帰ろうかと思い車のエンジンをつけた時、絢人から今終わったという連絡が入る。 「すぐ向かいます」 という言葉の後、絢人はすぐに駐車場に来て、助手席に乗り込んでくる。 「お疲れ様です、兄上様」 「お疲れ……」 目が合うと、昼間と同じ瞳で見られた気がしてカラダが一気に熱くなった。 「兄上様、お顔が赤いですが大丈夫ですか?」 そう言って、絢人は頬に触れてくる。 「……帰る……」 手の感触に心地良さを覚えながら、おれは絢人から視線を外して車を走らせた。 「帰ったらご飯よりも先に兄上様を頂きたいです」 いけませんか? と聞きながら、絢人はおれの太腿に手を置いてきた。 「……それでいい」 太腿を撫でる手にドキドキさせられながら運転して、アパートに着いたらふたりでそのままベッドに向かった。 「んぅ……ッ、、、」 舌の弱い部分を甘噛みされると、カラダが一層疼いてしまう。 「ぁ、ふぁ……あッ……」 「お可愛らしいです、蕩けたお顔の兄上様……」 「ひ……ッ、やぁっ、あぁッ、、、」 ワイシャツ越しに乳首を撫でられて、気持ちいいのと同時に直接触れて欲しいという欲望に侵されていったが、絢人はおれに布越しのもどかしい愛撫を続けた。 「兄上様、俺にして欲しい事がありそうなお顔をされておられますが」 「うぅ……ッ、この野郎ッ、分かってるなら直接……」 「申し訳ありません。兄上様のお口から聞きたくなってしまいました」 口元だけ笑う顔は妖しく艶やかで、おれはそんな絢人の笑みに胸を高鳴らせてしまう。 「仰って頂けますよね?兄上様……」 「ひ……っン、、、」 耳許で囁きながら抓るように触れられて、おれは恥ずかしさを覚えながらも絢人に早く直に触って欲しいと強請っていた。 「……ありがとうございます……」 そんなおれに絢人は満足そうな顔を見せると、おれのワイシャツのボタンを外して中に着ていた黒いタンクトップを捲りあげ、乳首に直接触れてきた。 「うぁ……ッ、あぁッ、、、」 「兄上様、先日お取引先の方が仰っていたのですが、お母さんは出産する前に赤ちゃんに授乳しやすいよう乳首をマッサージするそうですよ。兄上様がご懐妊された際には俺が毎日マッサージしてあげますね」 指で両方を弄られると、触れられてもいないのに下半身が一層疼いてどうしようもなくなる。 「ぁ、絢人……も……むり……」 こっち、さわって。 と、絢人の手を掴んで乳首から離そうとした。 「……もう少しマッサージを続けたかったですが、兄上様にそんなお可愛いらしい顔でお願いされては応える以外ありません……」 「ん、、、うぅッ……!!!」 深い口付けと共に下に履いてるものを全部脱がされて直に触れられると、おれは呆気なくイッてしまう。

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