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第78話

会食の際もおれたちは一番下座で、親戚たちに見られながら食事をしていた。 途中、おれは当主に酒を注ぐよう他の親戚……出迎えてくれた人とは違う、職場でも何度か顔を合わせている男に言われ、部屋の扉を開けてすぐのところに酒を用意していると教えられたので取りに行こうと扉の向こうに向かうと、突然室内の電気が全て消えた。 古い建物だから停電でもしたのか? と思ってスマホを取り出そうとしたら何者かに腕を引っ張られ、スマホはどこかに落ちてしまった。 「な……っ……」 瞬間、布みたいなもので口を塞がれたおれは意識がだんだん遠のいていった……。 「う……っ、、、」 どこだ、ここは。 目の前が暗くて全く分からない。 本家の家の中なのか、それとも別のどこかなのか。 「………!!!」 スマホを探そうと思ってカラダを動かそうとしたらチカラが入らなくて動かせない。 「ゔぅ……ッ、、、」 カラダが動かないなら声を出せばいいと思ったら、何故か声も出なかった。 一体、何が起きた? 「……ごめんね、兼ちゃん……」 ほんの少し周りが明るくなったと思ったら、行灯を手に持ち、黒いシャツに黒のパンツを履いた音椰がおれの脚のある方から歩いてきて、おれのカラダを抱き起こした。

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