2 / 6
押し問答
二人は長い間濃密に口づけ合った後、衣服を身につけ始めた。
そこで僕はやっと我に返った。
「君たち…何を…」
問いかける僕には目もくれず、ルイは部屋を去った。
残ったのはトワだ。
「ごめん、ごめん。いいところだったから、止められなくて。編入生には刺激が強すぎたよね…」
「な…馬鹿にしたような言い方をするなよ!恋人どうしなのか知らないが、この部屋は…僕の部屋でもある…あんな…あんな淫らな真似は慎んでもらいたい!」
トワは僕の剣幕にもヘラヘラしている。
緩くウェーブのかかった茶色の髪に、印象的な翡翠の目。よく見ると、見惚れるほどの美少年だった。
「頭が固いなあ…ここじゃ、こんなことは当たり前。恋人どうしだなんて…初等部の頃から気が合ったどうしで体を重ねて、誰と寝ようが干渉しないのがこの学園の…ここのルールだよ。ルイは俺のお気に入りの一人ってだけ」
トワは笑い混じりに言った。
僕には信じられない言い分の数々だった。
「君はマミヤ・リンドウだね。名門家のご子息だ。歓迎するよ!仲よくしよう。俺はトワ・ツジノウ。同級生だ。ああ、それにしても」
トワは僕を上から下までまじまじと見た。
「噂に違わぬ上玉だ。マミヤ・リンドウ…ぬばたまの黒髪に、漆黒の眼、生け贄の仔兎のような嗜虐欲を掻き立てる儚げな美貌…その切り揃えた幼子のような髪は誰の趣味だい?あまりにもそそる…心配になるほどだ…」
「な、何を…」
「誰が君の初めてを奪い、性の快楽を教えるのだろう。願わくば俺であって欲しいのだけど…」
「ば、馬鹿なことを言うな…!!僕はそんな不潔なことはしない!ましてや君なんかと…」
「ああ、怒らせてすまない…少し言い過ぎた…でも、そう言っても近いうちに…いや…」
初対面では、こういう具合に険悪になったが、トワは親切だった。
寮の施設の案内をしてくれて、いろいろと教わり助かった。
それに…トワの言う通りに僕はすぐに未成熟な肉体をひらかれ、それに溺れるようになっていった。
ともだちにシェアしよう!