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第11話

美味しいと気持ちいいはよく似ている。 特に僕みたいな生き物にとっては。 最奥を穿たれて、よろこんでいる体は食欲を満たしているためか、性欲を満たしているからなのかは自分でもよく分からない。 けれど、腕を伸ばして肌に感じる温かさは嫌いじゃない。 少しだけ汗に濡れてしっとりとしている肌も嫌いじゃない。 だから自分で抱き寄せて顔を宗吾さんの首筋に擦り付けてしまったのも、特に深い意味はなかった。 なのに、次の瞬間急に中のものが大きく膨らんで、激しく揺さぶられる。 そしてすぐに僕の中で弾ける。 生まれて初めてのまともな食事だった。 今までの食事とは全然違った。 ただ口から飲まされるのは全然違う。 今までのそれはただ飢えをしのぐだけのものだったと気が付かされるような衝撃。 はあ、と大きく息を吐きだして宗吾さんが僕に体重をかける。 吐き出したものを中の壁に塗り付けるようにゆるゆると腰を揺さぶられて、「あっ……」と声が漏れる。 一度出したのにまだ、固い陰茎に思わずゴクリと唾を飲み込んでしまう。 中で精液が吸収されて、空腹が少し落ち着く。 思考がクリアになって、自分の状況を少しだけ顧みることができる。 「僕はこれからずっと、あなたのものなんですか?」 答えは、はいかいいえしかない筈なのに宗吾さんはギクリと固まってしまう。 「……那月の主になる権利を買い取ったことは事実だ」 少しばかり間を置いてから言われる。 普通の事実を言うためにそんなに時間がかかる意味が分からない。 だけど、この人が変わっているのか、人間というやつがそういうものなのかは腹が満たされたところで僕にはわからない。 そもそも今だって満腹には程遠い。 もう一回と強請ればしてくれそうなのに、今の自分にとってどうでもいい話を続けてもしょうがない。 精液は美味しかった。まだ緩く快感が残っている。 宗吾さんが僕の勃起したままの陰茎をしごく。 おなかが少し満たされた所為か、感覚を先ほどまでよりも拾ってしまう。 しごかれると、じんじんして体の内側がひくつく。 宗吾さんにキスをするみたいに中がうねってしまう。 「もう一回……」 甘えるのが正解なのかは知らない。 もっと彼から話を聞いた方が良い気もする。 けれど、宗吾さんのが再び腰を打ちつけ始めてくれたので多分正解だったのだろう。

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