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第13話
自分の事はあまり好きではない。
それが僕個人に対してなのか、淫魔そのものを苦手としているのか分からない。
前の主の元にいた淫魔のことはあまり好きではなかった。いつも僕のことを馬鹿にした目で見ていたから。
セックスは多分、好きなのだろう。
これだけ快楽にとして受け止められてるのだ。気持ちいい事は確かなのだ。
セックスを好きな淫魔である自分が、自分で気に入らないのかもしれない。
「……淫魔である自分に時々嫌気がさすんです」
宗吾さんが動きを止めてくれたおかげで話すことができた。
どうしようも無い話をしたと思った。
少なくとも今日初めて会った人にする話ではない。
宗吾さんは「セックスは嫌いか?」と聞いた。
この感じ方で嫌いなんて答える訳が無いのに、上手く言葉にできない。
「気持ちいいですよ」
僕がそう答えると宗吾さんはため息をつく。
こんな話少なくとも今するべきじゃなかった。
多分正解が話せないと宗吾さんはため息をつくのだろう。
「とりあえず、那月は何回位食事をすればお腹がいっぱいになるんだ?」
「さあ……」
お腹がいっぱいになるまで食べたことが無いから分からない。
今日宗吾さんか言われた質問はどれも意図が正直分からない。
一般的な淫魔であれば普通に三回程度なのだろうか。
お腹がいっぱいになったら、何なのだろう。
「ここの中に注いで、それで満腹になって、それでもセックスしたいか試してみようか」
あまりにも普通に言うのでその後、尾てい骨のあたりを撫でられた時喘ぎ声をあげてようやく行為中だったことを強く認識する。
「俺は、那月が気持ちいい方が興奮するから」
――グチュン
一旦引き抜いた後、一気に根元まで中をえぐりながら宗吾さんは言った。
「だから、那月は少しずつセックスが大好きになってくれると嬉しいな」
宗吾さんは熱い吐息をかける様に僕の耳元でそう言った。
その言葉にはらんだ甘さにも、吐息からも快楽を拾ってまた喘ぎ声をあげた。
大好きになってどうなるのだろう。
別にかわるような事は何も無い気がする。
好きでも嫌いでも生きていくために必須の行為なのだから。好きか嫌いかはあまり関係ない様に思えた。
「とりあえず、今は食事《セックス》に集中しようか」
荒っぽい抽挿を始めながら宗吾さんはそう言った。
精液の香りがして、中をこすられて、僕は夢中で頷いた。
自分の穴から出るぐちゅぐちゅといういやらしい音を聞きながら、僕は目の前がチカチカするみたいな快感をべっとりと張り付けながら吐精した。
宗吾さんは僕の陰茎を確認するように撫でると、イッたばかりの僕の中をゴリゴリする。
中は射精直後で先ほどまでよりももっと強い快楽を僕に与えてくる。
強すぎる刺激は淫魔にとってもつらい。
思わず這って逃げようとする体を宗吾さんは押さえつける。
それから僕の腕を宗吾さんの側に引っ張る形で逃げられない様にしてから、ラストスパートをかけ始めた。
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