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第21話

頭の芯が痺れるみたいだ。 これはまだ、セックスじゃないという気持ちが正直ある。けれど、口淫だけでこんなに夢中になっている自分がセックスを好きか確認して意味があるのか分からない。 確認して何になるのかという考えも無くはない。 セックスなんてものはお互いを気持ちよくすることだけ考えてればそれで充分だ。 前に、サキュバスから聞いたことがある。 どうせやめられない事であるのなら、何も考えない方がマシなのか。 一旦考えることをやめよう。 ただ、自分のしたいようにする。 それが彼の支配欲と相反する事かは僕自身よく分からないけれど、今日のところはそうしてみようと思う。 宗吾さんは僕の前の主の事を加虐性のある人間だと言った。 言い方からして、恐らく彼は違うのだろう。 であれば、もういいかと思う。 ぐぽぐぽ、と音を立てながら、そそり勃つものを舐る。 美味しい。 顎が辛いけれど、頭を固定されて口内をこすられて、興奮する。 気持ちいいがいっぱいになる。 もっと、舌をこすって欲しい。上あごものども突いてとんとんして欲しい。 知らず内股をこすり合わせる。 完全に勃起している自分の性器より、今は彼の怒張に夢中だった。 もっと、と思わず少しだけ吸い上げてしまった瞬間、一際彼の陰茎が固くなった気がした。 次の瞬間、宗吾さんは射精した。 舌にのる精液が生臭いという感覚はあるけれど、それよりもそれが美味しいという気持ちが上回る。 「んっ、んくぅっ……」 射精後も舌に精液をこすりつける様に宗吾さんの陰茎がゆるゆると動く。 それがたまらなくて、精液を飲み込みながら先ほどより柔らかい彼のものに吸い付く。 尿道に残る精液も飲みたい。したを這わせながら、甘えた声が出てしまう。 ちゅう、と吸って少し顔を離す。 そのまま、尿道の先っぽに舌をねじ込むみたいに鈴口を舐《ねぶ》る。 満腹になった筈なのに、下の穴がジュクジュクと物足りない。 もっと、もっと欲しくて必死で舌を押し当てる。 尻尾がゆらゆらと物欲しそうに揺れているのに自分でも気が付いてはいる。 感情がそのまま見えているみたいで恥ずかしい。 宗吾さんが、また硬くなり始めている陰茎を僕の口から取り上げてしまう。 「あっ……」 もの欲しそうな声を思わず上げた僕に彼は、喉の奥で笑う。 「まだ、空腹かい?」 聞かれた言葉に首を横に振る。 腹は膨れている。 いつもよりずっと満たされている筈だ。 だから、こんなに下半身が期待しているのは空腹のせいじゃない。 「そうか、じゃあこれからセックスをしてみようか」 人間と同じように。 そう宗吾さんは言った。 目が釘付けになっている宗吾さんの陰茎は再び硬さを取り戻している。 昨日から射精を繰り返しているのに萎えないのを見て、勝手に嬉しい気持ちになってしまう。

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