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第22話

もう満腹なのに、口の中に唾があふれる。 自分の性器はもう勃ち上がっていて、ジンジンと痛い位に張りつめている。 昨日初めてされたことなのに、期待して体が疼いている。 ああ、僕は期待しているのか。 して欲しいと希《こいねが》っているのか。 浅ましいのだろうか。 セックスが好きなのか確認したいと言いつつ、始めてもいないのにこんなに期待している。 「今日はゆっくりしようか。」 そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、宗吾さんはそう言って、それから、僕のハーフパンツと下着を脱がされる。 勃起した先端から糸を引いていて恥ずかしい。 けれど、お腹がすいていなかったから、宗吾さんの表情を見る余裕があった。 蔑んでいると思ったのに、彼の表情からはそんなものは読み取れない。 思ったより優し気で、ただ、興奮しているのがよく分かった。 僕も同じような顔をしているのだろうか。 同じなら少しはマシな様なきがした。 もっと興奮しきってだらしない顔をしているのかもしれない。 ベッドに横たわる様に促される。 言われた通り仰向けで寝転がると、宗吾さんは僕の頬から顎を撫でる。 正直嬉しいと思ってしまった。 多分表情にも出ていた。 完全にペットの様なものだ。 淫魔なんてものはそういうものなのかもしれない。 「今、何を考えてる?」 相変わらず静かな声だ。 けれど、そこに優しさを含んでる気がしてしまうのは、僕が何かを期待しているからだろうか。 「……ただ、自分がペットみたいだなと思っただけです」 何も答えない僕をただ待っていた宗吾さんに、いたたまれなくなってそう答える。 もっと上手い睦言が言えるようになった方がいいと自分でも思った。 「別に那月の事をペットだとは思っていない」 もう一度、宗吾さんが僕の頬を撫でる。 頬を撫でられるのは好きかもしれない。 それからTシャツをまくり上げて、胸元からへそを通って下生えを撫でられる。 ペットと僕は何が違うのだろう。 「君のためと言いながら、俺の好きに抱いているのだから説得力がないな」 自嘲気味に宗吾さんが言って驚く。 だって、僕はそんな風には思っていなかったから。 ただ、この戸惑いをどういう言葉にしたらいいのか分からなかった。 「少しずつ、俺とのセックス好きになっていけばいい」 好きになる前提なのか。 それとも宗吾さんが好きになって欲しいと思っているのか。 確認する前に、疼く穴に切先を宛がわれる。 声に出せたのは「あっ」という期待に満ちた喘ぎだけで、他の意味ある言葉は何もつむげなかった。

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