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第33話

「精液を直接飲ませた方がいいかと、調べたんだが」 宗吾さんは言いよどむ。 前回泣いてしまったからだという事には、すぐに気が付いた。 それで多分宗吾さんは淫魔についてきちんと調べてくれたのだろうことが分かる。 なんとなく宗吾さんが何を言いたいのかは何となくわかった。 目の前に錠剤を差し出されて、中身は精液ですよって言われても多分飢えは満たせないと本能が言っている。 それが本当に精液であれば、餓死はしないのかもしれないけれどそれでも多分一度味わってしまった満腹感は絶対に味わえないと知っている。 人ではない生き物の本能が僕にそう言っている。 「僕は、セックスをしないと生きていけない生き物だから」 宗吾さんが僕に言う前に、自分で伝える。 ゴクリ。 宗吾さんが唾を飲み込む音が聞こえた。 ベッドの上にぺたりと座り込んで頬を撫でられる。 この人に頬を撫でられるのは好きだ。 思わず目をつむると、喉の奥で笑う音がした。 「俺はさ、セックスをしないと生きていけなくても、そうじゃなくても、那月とセックスがしたいよ」 耳元で囁かれて、ゾクリとする。 彼の意図が分からなない。 聞き返そうと思った言葉は、体をまさぐられたことで頭の中からふっとんでしまう。 この行為は彼もしたい事だって。 性行為が好きな人がいるらしいことも知っている。 前の主もそういう人だった。 脇腹を服の上から撫でられて、押し倒される。 尻たぶを揉まれて「あっ……」という甘えた声が出る。 直接撫でて欲しい。 そこに、先走りを塗り込めて欲しい。 初めての時みたいに、体を拓かれてぶちまけられたい。 あられもない声で喘ぐ自分を見られるのは嫌だし、行為の最中きっと酷い顔をしているだろう。 まだ、うっすらと残った理性ではちゃんと理解しているのに、欲しいという欲求で塗りつぶされていく。 与えられたい。 触れられたい。 注がれたい。 はあはあという自分の吐息がうるさい。 のしかかる宗吾さんに手をのばして、ワイシャツのボタンをはずしていく。 全部外れたところでベルトのバックルに手をのばすけれど上手く外せない。 クスクスと宗吾さんの笑う声がする。 嫌われただろうかと彼の顔を見るけれど、その表情から侮蔑は見て取れない。 彼の表情も欲情に濡れている。 べっとりと、情欲を張り付けて宗吾さんの瞳は僕を見下ろしている。 「いっぱいしてください」 俺が無駄なことを考えられない位、いっぱいにして欲しい。 何か考えて怯えて、馬鹿なことを言わないように。 そんな風に思って言った言葉の後、宗吾さんは僕の首筋に噛みついた。

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