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第35話
空腹が満たされる感覚と自分がイッた感覚が合わさって、多幸感がます。
だらしなく緩む表情と無意識に甘える様にのばされる手。
次の行為をねだってしまう。
やさしく撫でられて、宗吾さんの汗が僕の肌に触れる。
僕の肌もじっとりと濡れた様になっている。
息が上がる。滅茶苦茶に走った後みたいな荒い息をしている。
宗吾さんが興奮しているのが分かって本能の部分が悦んでいる。
だらしなく開いてしまった口と涙で滲む視界から見た宗吾さんの顔は壮絶な色気を放っている。
それは発情しきった自分の所為なのか、それとも本当に宗吾さんがそんな顔をしているのか、僕にはどちらなのか分からない。
ただ、中を穿つ怒張も僕に触れる手も熱い。
熱くて、熱くて、それは冷たくて寒いよりはいいものなのかもしれないと思う。
視界が快楽でチカチカする。
腰骨がガツガツと当たって体が揺さぶられる。
気持ちいいで頭の中も体もいっぱいになって、中を締め付けてしまう。
はっ、と息をのむ音が聞こえて宗吾さんが僕の鎖骨に噛みつく。
一瞬痛みを感じて体を固くしたけれど、すぐそれも勝手に体が快楽に変換してしまう。
快楽に背筋を逸らせるのに抑えられる様にして腰をさらにガツガツと穿たれる。
悲鳴の様な声を上げて、達する。
中にジワリと吐精されたのを感じて、彼もいったのだと知る。
疲れと、空腹が満たされた感覚とそれから、宗吾さんのやさし気な手。
ベッドに投げ出された体が重い。
髪の毛をあたたかな手で撫でられるのに目を細めると、ウトウトとしてしまう。
眠い。とても眠い。
何か言葉を発するのも億劫で目を閉じる。
そのまま眠ってしまった。
ご飯をお腹いっぱい食べて、温かい布団で眠る。
人の幸せの一つの形らしい。
ならば僕はとても幸せな生き物なのかもしれない。
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