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第55話
振り返ってみた、宗吾さんの顔は壮絶な色気を放って、嬉しそうな笑みを浮かべていた。
ひゅっ、と息を吸い込んだ瞬間だった。
ずぷん、という音が実際にしたかしなかったかは僕にはよく分からない。
だけど、そんな感じ。
入ってはいけないところを切先がかすめている気がする。
半ば嗚咽の様な声が口から出てしまっている。
痛みは無い。
それが自分が淫魔だからなのか、それともそういうものだからなのかは知らない。
でも、目の前がぱちぱちする様な快楽を初めて味わう。
体が駄目になっちゃう部分をトントンされてる。
よだれが垂れていることも、喘ぎ声ももうどうしようもない。
ただ、この暴力的な快楽から逃げる事ばかりしか頭に浮かばない。
中を突かれるたびに吐精感がおこる。
その度に官能を極めているのではないかとさえ思う。
「中、嬉しいって吸い付いてくるね」
宗吾さんが言っている声もどこか遠くで言っているみたいで、とにかく奥を貫かれる感触ばかりが強い快楽となって脳に届く。
視界が白む。目の前がチカチカとする様な強い快楽にシーツをかきむしる。
「イッてる、……いま、イッてるから、あ、あ、あ゛ッ」
達してうねっている中を滅茶苦茶に突かれて、身悶える。
宗吾さんの動きがどんどん余裕がなくなっていって、僕ももう何も考えられる余裕がなくなって、その後、熱いものを最奥に注がれる。
ほとんど吸収されなかった精液を塗り込めるみたいに宗吾さんは陰茎をこすりつける。
それから、ごく明るい声で「気持ちよかったねえ。もう一回しようか」と言った。
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