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有罪 6

   時間がかかるから付き合わせるのは申し訳ないと思ってしまう。  恋人……いや、元恋人は事前に準備をしていないと怒る人だったから駄目なんだって気がしてくる。 「そ それに、途中まではできてるから」 「できてる?」  こくりと首を傾げる佐藤の顔から視線をつつ……と動かして、臆面もなく晒された股間を見る。  デートの後に望まれたらと用意しては来ていたけれど、コレが入るほど入念には準備していない。  想定外の重量を持ってるモノを前に、オレはうろたえるだけだった。 「では続きを手伝おう」 「へっ⁉」  飛び上がりそうになってバランスを崩したオレを、さっと手が伸びて抱きとめる。  身長も手も大きいからか佐藤の腕の中に入るとすっぽりと包まれるような感じがして、慣れない感覚に顔が真っ赤になっていく。  寄りかかっても支えてもらえる安堵感に胸が脈打つ恥ずかしさに消え入りたくなってしまったけれど、ぴたりと頬をつけた佐藤の胸からも同じ音が聞こえてきて……    「ここを使うのは知っている」 「あっちょ  っ」  あの太い指がためらいもなく肌の上を滑って両方の尻たぶの隙間へと滑っていく。そのあまりにも遠慮のない動きは情緒がなくて、つい勢いでぱちんと手の甲をはたいた。 「だっ……急にはっ……」 「……急 」  肌の上を滑らせた指先を見てからぽつんと呟く。  そこを触ろうとした指をまじまじと見つめられると恥ずかしさに卒倒したくなる。 「触るにも手順が?」  堅苦しく聞き返されて、こんな状況なのに生真面目に聞いてくる佐藤に向けてぷっと吹き出した。  男と寝ることができるかどうかを知りたいと言っていたのだから、それなりのことは調べてからきたんだろう。  それを、この男はどんな顔をして調べていたんだろうか?  そう思うと少しだけ胸がくすぐったいような、笑いだしたい気分になってなんだか肩の力が抜けてしまった。 「手順……うん、手順はー……まずぎゅってしてくれる?」 「こうか?」  まるで何かの講習だ。  なのに触れ合った部分から広がる熱と鼓動になんだか嬉しくなってくる。  少し前に振られたばかりだって言うのに、オレはこの瞬間を楽しいと感じていた。  たっぷりと泡立てたボディソープがお互いの体に潰されてぱちぱちと弾ける。  まさぐるようにそれぞれの体に触れ、視線が絡んだところで唇に吸いついて……どちらからともなく気づけば舌を絡ませて、ぬるぬるとした咥内を楽しんでいた。 「触れても?」  キスの合間に尋ねてくる言葉は飾り気がないのに、含まれる息は熱く今に爆ぜそうだ。    

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