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有罪 8
触れてもらえず寂し気に涙を流して起立するナニを佐藤の腹に擦りつけながら、再び首に腕を絡めて懇願するように幾度もついばむようなキスをする。
「ほぐれたか?」
「ゆっくりってっ! 言ったのにっ! ん゛っ もっ……いいから!」
分厚くてしっとりとしたオレ好みの唇だけれど、それよりもオレの舌を迎え入れてくれる佐藤の舌はいやらしく動いて器用なのにぽってりとした重厚感があってさらに好みだった。
ちゅう と吸いつくと気持ちが良くて堪らない。
気持ちよくて、
嬉しくて、
ふわふわと高揚した気分で、
オレはちゅ、ちゅ、とリップ音を立ててキスをした後、次は喉元にキスをする。
そしてゆっくりと心臓の辺りを滑らせるように唇を這わせ、それから薄く筋肉の筋の浮く腹に嚙みつくようなキスを繰り返す。
散々焦らして、やっと佐藤の中心へと口づけた。
最初、そんなところに口をつけたオレを信じられないものを見るような目でみていた。なのに舌先を伸ばし、たっぷりの唾液を含ませてカリに触れた途端、肉厚の唇が薄くなるまでさっと引き延ばされるから嬉しくなってしまう。
「俺は……どうしたらいい?」
深く咥え込んだからか佐藤は語尾を微かに震わせて尋ねかけてくる。
どう?
どう……?
元恋人は何もしなかったから、オレは答えを持っていなかった。
「んっ、オレがするの、見てて」
舌なめずりをしてからもう一度深く咥え込んで、今度は喉の奥へと出来る限り誘い込む。
喉で扱くのがいいんだ……と言われて苦しくてもそうするようにしている、これをやっている間は無我夢中で他のことに気をかけるなんてできないから、元恋人は不満そうだったことを思い出す。
「ぅんっ!」
熱くなっている耳を指先が触れた。
それでなくても敏感になるようなことをしているのに、耳は特に敏感なところだったから飛び上がりそうになってしまう。
オレに触れてきた手が遠慮がちにさらさらと髪をかき分け、地を見つけてそこに触れてくる。
少し汗ばんで滑りの悪いそこを、熱い指先でつつ……となぞられてしまうと、腰……いや、もっと深い部分からぞくぞくとしたものが駆け上がって、オレの喉からはしたない声を上げさせた。
「ケイ君、それは もう、いいから 」
苦しそうに告げてくる佐藤のナニは、ぺちりと腹を叩く勢いで猛っていて、もう男とできるかできないかを不安がるような段階ではないようだ。
佐藤のアレは、オレのナカに入りたくて涎を垂らして……
襲い掛かる瞬間を虎視眈々と狙っている獣のようにも感じさせる。
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