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有罪 9
「や……いやだよ。佐藤さん」
「それは……」
「ここじゃ、駄目だって。ベッドに行こう」
オレがそう言うとほっと安堵した表情を零した。
綺麗に整えられたベッド、糊の効いたシーツなんて久しぶりだと思いながらよじ登り、湯で熱くなりすぎてしまった体を広げて熱を逃がす。
「何か冷たいものでも頼もうか?」
ルームサービスのメニューを見せられたけれど、オレはそんなものを飲んで時間を無駄にしたくなかった。
「喉乾いたなら、そこの冷蔵庫のを飲んだらいいよ。ねぇ、飲みながらでいいからここに座って」
よく弾むベッドをぽんぽんと叩くと、軽くだったのに体まで揺れる。
佐藤は迷っているようで、手の中のメニューと小さな冷蔵庫を交互に見た後、すべてを放り出してオレの隣へと座った。
風呂から上がって多少は萎えているかと思ったが、佐藤のソレは思った以上に元気だ。
勃起した男と二人、ベッドに並んで座る気恥ずかしさに、「どうする?」と問いかける。
「どう……? セックスがしたい」
「セッ……」
「君と」
真っ直ぐな瞳と体はその言葉通りオレとセックスがしたいんだろう。
それがわかってはいても、これだけぐずぐずとしてしまうのはオレの踏ん切りがつかないからだ。
今までの自分と反対の行動をしようとするなら、奔放にこの男に跨ればいいだけだってわかっているはずなのに、一抹の躊躇がオレを押しとどめる。
「わ、わか 」
わかった の一言が喉につっかえるようでもごもごとしていると、佐藤は一瞬考えた様子を見せてから手を伸ばしてきた。
肌に触れなくても傍にくるだけで感じる熱量に怯む前に、大きな手が包み込みように抱きしめる。
湯上りの湿気った肌は吸いつくように気持ちがよくて、そろりと佐藤を見上げた。
「寒くないか?」
「あ……うん」
きっと、この熱はシャワーを浴びたせいだと言い聞かせながら頷いた。
「あ゛っ! そ、な……っ」
上手い下手を除外して、男と初めて寝る相手がオレのモノを口に含んで一生懸命に舐めていると言うのは、むずむずとするような嬉しい感覚に胸がくすぐったくなる。
「んんっぁ、さと さ っ」
「どうした?」
なんの臆面もなく股間から尋ねられて、あわあわと佐藤の頬を掴んで引き寄せた。
派手な顔立ちと言うわけではなかったけれど、端正な造りをしていると思う。見つめていると照れくさくなるけれど、真っ直ぐにこちらを見る目は見たくてたまらない……
焦れ焦れとした感情を持て余しているのをごまかすように、そろりと足を開いてソコを晒した。
「 っ、あの、そうまじまじと見られると、恥ずかしいんだけど……」
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