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第5話

ぁぁぁ……最高……テナーサックスのエロ音色最高…… むにゃむにゃ…… 柔らかくとろけるテナーサックスの感触…… これがテナーサックスかぁぁ ……柔らかくとろける? 静かな空間…… さっきまでの楽器のガチャガチャとした騒がしさはどこへ? トランペットのロングトーンが薄ら響き、ステージのライトの明かりが柔らかく差し込む謎の空間…… どこ……… 暖「…………!!」 唇に感じる柔らかな感触…… 暖「んな!?」 「大丈夫?」 耳元で聴こえる低く落ち着いた声…… 暖「………!!は…はや…速水先輩!?」 速水「俺の名前知ってるんだ。まぁ、俺有名だもんね」 待て待て待て。一旦状況を整理したい 速水先輩の顔面が僕の至近距離にありました つい数秒前に唇に柔らかい感触があったため、僕は驚いて目を覚ましました。はい、まるで白雪姫状態です おそらくキスをされたであろう僕のお相手はこの空間にいる速水先輩しかありえません 暖「………先輩すみません、今キスをされた気がしたんですけど夢でしょうか?」 速水「夢じゃないよ、現実」 暖「……なぜ僕はキスをされたのでしょうか?」 速水「呼吸が浅かったら酸素入れてあげようと思って」 暖「………あっ、なるほど。ありがとうございます」 速水「どういたしまして」 ………違う!違う!! 暖「ふぁっ…ふぁーすとキスだったのに!!!」 速水「……男初めてだった?ごめん」 暖「男とかじゃなくて、女の子ともした事ない!!!」 速水「あー。童貞」 暖「かー///」 ・ ・ ・ どうやら僕は酸欠で倒れて、ホールの上部にある照明や音響を調節する部屋に運ばれたらしい。 速水先輩はこの部屋が練習場所らしいけど、僕が運ばれて来ちゃったもんだから練習にならず楽器を置いてイヤホンで音楽を聴いていたところ、僕の呼吸の異常に気がついたらしい あれはキスじゃないんだ……?

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