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第16話
【暖サイド】
速水先輩ホントについて来てくれなかった……
緊張するよ……
ほかの一年生はもうパートリーダーと1対1でレッスンしてるんだけど……みんな顔青ざめて戻ってくるんだよな……
怖いって草野先輩も言ってたしね……
ぐへん……行きたくないよぉ……
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暖「あの……かな…かなめ…せんぱい……」
サックスパーリー「どうした?全部平仮名だぞ」
暖「速水先輩からパートリーダーのチェックを受けて来いと言われました」
サックスパーリー「なるほどね。はい、じゃあCメジャースケール」
暖「メジャーリーグすか?」
サックスパーリー「は?」
やべっ……メジャーリーグじゃないらしい……
なんて言った今??シー…なんたら……
工口 「ドレミファソラシドの事だよ」
通りすがりに耳元で囁き、しれっと乳首をツネって去っていく工口 先輩……
教えていただきありがたいけど、抜け目ないエロ手口
カチカチカチカチ
もはやトラウマになりそうなこのメトロノームのカチカチ音……
サックスパーリー「♪〜♪〜」
上手ー。。。(パチパチ)
サックスパーリー「こんな感じ。1.2.3.はい」
暖「ブフォ……プピー!…キィぃ!」
緊張のあまり1音も出ない。情けない
サックスパーリー「ねぇねぇ、練習してる?」
暖「………してます…」
サックスパーリー「やれとは言わないけど、自主練してるところ見た事ないぞ?」
暖「…………」
たしかにパートリーダーの言った通りだ……
自主練今日はやるぞ!って思ってるのに、部活が終わってのんびりご飯食べてお風呂入ってゴロゴロしながら漫画読んでる……
吹けてない自分を他の人に見られるのが恥ずかしくって……なんとなく自主練室から逃げていた……
サックスの一年が練習誘ってくれることもあるけど、疲れたって断っているうちに気をつかわせたのかあんまり誘わられなくなった……
サックスパーリー「部活やってて楽しいか?」
暖「………グスン……」
なんで俺泣いてるんだ……
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サックスパーリー「俺も中学時代野球部だった」
暖「えっ!?」
高校から吹奏楽始めたってこと?僕と一緒……
要 拓人 ………
暖「……要 先輩もしかして…大泉中のキャッチャーですか…」
要(サックスパーリー)「おぅ、知ってるのか笑。地元一緒だもんな笑」
知っているも何も……大泉中は全国大会出場校でうちの地元で知らない野球部員はいない
まして要 先輩の代はめちゃくちゃ強くて有名だった……イケメン捕手で4番だったこの人がなんで吹奏楽……
暖「………なんで吹奏楽やってるんですか…?」
要「サックス吹いてみたかったから」
うっすー!!理由ペラペラじゃん
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