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第82話

「はぁっ……あっ、ぅ……んっ……」  汗ばむ身体でも構わずに、諒大と交わり続ける。  もう何度達したかもわからない。それでもひたすらにお互いを求めている。 「あっ……諒大さ、なんかくる……っ、また出ちゃう……っ!」  正常位で諒大にガン突きされ、前で達した感覚があったのに、颯が放ったものは精液じゃない。透明な液だった。  (えっ……漏らしちゃったの……?)  感覚がおかしくなっていたせいで、自分の身体なのに、なにが起きたのかわからない。  慌てる颯に対して、諒大は抽挿をやめ、「潮、吹いちゃいました?」と余裕の笑みを浮かべている。 「俺に突かれて、気持ちよかった……? 颯さんは奥のほうが好きなんですね」 「シ、シオ……」  男のくせに潮吹きなんて恥ずかしい。オメガの颯にも、なけなしの男としてのプライドはあったのに、諒大のせいで女の子の身体にされてしまった気分だ。 「嬉しい。颯さん、俺で気持ちよくなってくれたんだ……」  諒大は颯の唇にキスをする。 「……恥ずかしい。諒大さん、忘れて」 「ううん。可愛いです。可愛くて、たまらない。もう一度、キスしていい?」   諒大は颯に何度もキスを繰り返す。キスするだけで、颯の中にある諒大のモノが興奮していくのがわかる。ラットから醒めても、諒大の精力は衰えることがない。  諒大に求められて嬉しい。潮吹きなんてみっともない真似をしても、それを可愛いと言ってもらえると安心する。  「諒大さん、そんなに僕のこと好きなの……?」  諒大のしつこいキスに悔しくなって、颯からも諒大にキスを返す。諒大にやられっぱなしじゃ嫌だから。  「好きですよ。大好き。俺は颯さんにメロメロです」 「メロメロって……」  諒大の言い方が面白くて、颯は口角を緩ませる。すると、その唇の隙から諒大が舌を差し入れてきた。 「あっ、もう……」  またやられた。諒大の扇状的なキスが始まり、颯はすっかり諒大のペースにのせられていく。 「んっ、んんっ……!」  諒大が再び腰を動かすと、諒大のモノに颯の内壁がねっとりと絡みつき、颯はビク、ビクと身体を震わせる。  散々気持ちよくなったのに、まだ達しようとするオメガの身体が愛液を漏らし、それが潤滑油となってさらに感じやすくなる。 (気持ちいい……諒大さんとずっとこうしてたい……) 「颯さんっ、颯さんっ!」   諒大が颯の中で達した。アルファに最奥に放たれて、颯は快感に耐えきれず諒大の肩にしがみつく。 「んうっ、んっ、んんーーーっ!」  唇を塞がれたままだから、喘ぎ声も出せずに颯は中イキする。足の指をピクピクさせて、ベッドで跳ねるみたいに痙攣した。 「はぁ、はぁっ……」  熱を帯びる身体。興奮で心拍数の上がる心臓。身体は力が入らないし、意識が遠のいてきた。 「颯さ……」  諒大がドサっと颯に覆い被さってきて、颯の身体を抱きしめてきた。  「りょ、た、さん……」  諒大に抱きしめられながら、颯はゆっくり目を閉じた。

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