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第14話
「「……………引き分け」」
ぽかん、とした顔。
最終決戦だと意気込んだのが、まさかの同点という結果に終わり、二人とも魂が抜けている。自分で自分の首を絞めただろうかと思うも、もう遅い。
冬だというのに、汗ばんできた背中に汗が伝ったその時、二人が動き出した。
「ふっふっふっふっ!」
「へっへっへっへっ!」
「「あっはっはっはっ!!」」
いつか聞いた不気味な笑いと共に、椅子が倒れる程の勢いで起立する二人。
一人ついて行けない俺をよそに、二人は青春系スポーツ漫画のようにガシィっと固い握手を交わす。
「安達なかなか、やるな!」
「先輩こそ、流石じゃないですか!」
「よし、今日は宴だ!駅前で飯食うぞ!!」
「了解です、瀧藤先輩ッ!!」
盛り上がった二人がちゃっかり俺の荷物も持って教室を出ていく。
「漣ぃ~、ハンバーガー食いに行くぞぉ~!!」
「先輩、早く早く!!」
仲良さそうに肩を組む二人が俺を呼んでいる声に、漸く我に返る。
「…………………まぁ、頑張ってたしな。」
なんとなく遣る瀬無い気持ちと、ほわほわとした温かい気持ちに、ちょっとだけ浮足立った俺は、
ガタン!!!!!
「「「「漣(先輩)――!!」」」」
結局、ボロボロの身体によって強制的な眠りへと誘われたのであった。
第三章 ~~ 俺達と学生の本分 ~~ 完
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