さて。 出汁巻戦争に隠れていた、瀧藤の留年問題も回避し、赤点常習犯の安達も、今回は全教科規定を上回り、無事に学期末テストを終えることができた。 因みに俺は、今まで睡眠周期のせいで半分より上くらいだったのが、今回は抱き枕効果のおかげか中の上のくらいだった。 苦手科目のテスト日と、三徹目が被らなければもう少し上を目指せたかもしれない。 最早十数年の付き合いの不眠症だが、こういう大切な時に眠れないのは本当に辛い。 というか。 「忘れてた。」 「んぉ？どうした、漣？」 「先輩、何か忘れものですか？」 今日は二学期最終日、終業式の朝である。 そう、今日は終業式。つまり、明日から冬休み。 「いや、冬休みの間、抱き枕無いなーと思って。」 「「あ。」」 人生ってほんと、一難去って、また一難。