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俺と抱き枕の春休み
それは卒業式も終わり、春休みが目前に迫ったある日。
「先輩、折り入ってお話があるのですが。」
腹拵えを終え、のんびり残りの休憩時間を過ごそうとした俺の前に、安達は折り目正しく正座して切り出した。
その堅苦しい雰囲気を受けて、こちらも姿勢を正す。
「僕達って付き合ってますよね。」
圧が凄い。
「え、うん……好きな人同士ってそういうもんだよね?」
「じゃあどうして、放課後に遊びに行こうってなったら瀧藤先輩も誘うんですか。」
やっぱり、圧が凄い!
答えを聞くや否や次の質問が投げられて、安達のオーラがぐんっと大きくなる。
「ええー、だって今までだってそうだっただろ?」
「先輩には!デートという!!概念が無いんですか!!!」
「あ。」
要はまぁ、そういうことがあったのである。
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