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第9話
九月の風が熱くなった体を冷ます。
「ぁーーー。………………疲れた。」
結局、流されるまま終えてしまった。
案外女じゃなくてもなんとかなるんだ。俺の感想はそんな感じたが、安達はご満悦なのだろう。腕の中でぐったりとしているものの、何故か肌がツヤツヤして見える。
「はあーっ、気持ちよかった!」
「そりゃ良かった。」
因みに、安達の穴から溢れてきた俺の精液は、安達が全て拭って美味しそうに舐めた。流石に腹でも下すんじゃないかとやんわり止めたが、幸せそうにしていたから、まぁいいかと許してしまった。
俺、もしかして、甘い?
そんなことを考えていると、どこからかチャイムの音がする。なんか昨日もこんなことあったような。
「5時間目始まるぞ。」
「えー!先輩行っちゃうんですか?」
「えー、授業受けに行く方が怒られるの?」
ぎゅうぎゅうと腹に抱きつく安達を引き剥がすのも面倒なので、早々にサボることに決めた。溜息をつき、上げかけた腰を元の位置へ戻す。
すると、安達はぱぁっという効果音がつきそうな程の笑顔になった。
なんか、犬みたい。
「先輩、男は僕が初めてですよね。」
「そうだけど。なんで肯定文?」
そういえばコイツ、俺のことよく知ってるよな。俺の名前も知ってたし、もしかしてストーカー?
「てことは、そっちの知識は全然無いんでしょ?」
「わー、華麗にスルーされた。」
「じゃあ僕が教えて上げます!」
「別に、そんな知識いらない。」
楽しそうに膝の上でニコニコしている安達は、聞いてもいないのに男性同士の性行為について語り始めた。
どうやら男同士の性行為が気持ちいいことはごく稀なのだそうだ。
まあ、考えてみれば当たり前。男役はともかく、女役が使うのは性器ではない。尻の穴に何かを入れられるなんて考えただけで寒気がする。
一応女役にも適正の様なものがあるらしく、前立腺で感じられることが第一条件なのだとか。
それが、相手との愛情や身体の相性によっては格段に気持ちよくなるらしい。
「愛のパワーってやつです!!」
「へぇ〜。」
「先輩!もうちょっと興味持って下さい!!」
愛はよく分からないが、身体と心が複雑に関係していることは身をもって理解している。睡眠不足は俺の性格にも影響するからだ。
安達はその他にも自身の性感帯や、好きなシチュエーションまで赤裸々に語る。それを知ってどうしろと言うんだ。
俺は、別に抱きたいわけじゃないんだけどなぁ。
「あのさ、安達。」
「!!はい!なんですか!?」
「テンション高いところに悪いんだけど。」
「俺とお前って、付き合っては無いよな?」
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