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第6話

ギャーギャー言い争い始めた二人に、溜息。 「はいはい、分かったから瀧藤は弁当食って、安達はここに座って。」 「ぎゃっ!!」 安達の首元を掴んで引き寄せる。あぐらをかいた脚の上に背中向きに座らせ、ぐっと抱き込み大人しくさせる。瀧藤はこちらを睨みつけながらも、空腹には抗えないのか弁当に手をつけている。 「お前さ、大丈夫なの?」 「ん、もぐもぐもぐ、んぐっ。メシウマ―!!!」 「…………そうか、美味いか。」 どうやら俺の心配は無用らしい。久しぶりに頭を使って疲れたのか、次々とご飯が口の中に消えていく。睨みつけていた目も、ニコニコと嬉しそうだ。 俺が瀧藤に話しかけていることがお気に召さないのか、腕の中の安達がまたもや腕に噛みついている。さっきより弱い力だし、特に気にせず放っておくことにする。 「あっ、そうだ!漣っ、お願いごと聞いてっ!!」 「嫌だ。」 「即答!!!まだ内容も言ってないのに~!!」 だって嫌な予感しかしないし。 「今回は!今回は、いつもと違うのにぃ~!!!」 「わかっ、分かったから!!!泣くな!!!抱き着くな!!!」 「先輩は僕のです!!」 ぐわっという効果音と共に抱き着いてきた瀧藤。それに毛を逆立てて警戒する安達。ちょっと待て、最近カオスな状況多くないか!? シャツで鼻水を拭こうとする瀧藤を必死で止めて、シャァァと威嚇する安達をなだめる。どうにも事態が収まらないので、瀧藤の話を聞くことにした。 「今度の土曜日、漣家で勉強会させて下さい!!」 「………勉強会?別にいいけど。」 「ほんと!?やったー!!!」 今までの瀧藤からは考えられないお願いだから少し驚いたけど、勉強会ぐらいなら全然大丈夫だ。もっとパシリみたいな願い事かと思った。ジュース買ってこいとか、ノート写しとけとか……。 両手を上げて喜んでいるのを見ると、余程勉強したいらしい。そんなにしてまで出汁巻を食べたいのか?三人分の出汁巻を持ってきてもらうという選択肢は無いのか? そんな事を考えていると、腕の中が大人しいことに気づく。 「おい、安達。どうした?」 「ーーです。」 「ん?」 「だーです。」 「なんて?」 「先輩の家で勉強会なんて駄目ですー!!!」 え、なんでお前が反対なの? 「条件が合わないじゃないですか!!」 「はぁ!?お前、俺より賢いんだろ?」 「そ、そうだけど!!……ズルいじゃないですか、瀧藤先輩だけ!!」 あぁ、そこなのね。僕だけ仲間外れで寂しいってことか。 だったら、 「お前もくればいいんじゃないの?」

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