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第20話 女を知った事

「キミ、まだいたのか。何やってるんだよ。 ミトが眠そうだから、そこ空けろよ。  女の魅力を見せつけたいなら他に行ってくれ。 不幸な結婚をアピールするから抱いてやろうと思ったが、キミじゃイケないんだ。  悪いが帰ってくれ。」 「何よ、このホモ野郎!大学で言いふらしてやるから。」 「残念ながら私がゲイなのはみんな知ってるよ。 周知の事実だ。たまにバイなんで女性も来るけどキミみたいな無粋な女性はお断りだ。」  タクシーを呼んで、まりこさんを帰した。 ロジが酷いと思う。冷たい人だ。  それに、結婚しても他の人ともセックスするのか。僕は嫌だな。ロジは平気なんだ。悲しくなった。 「ロジ、僕と結婚したんだよね。 浮気したら嫌だ。」 「そうだね、私が悪かった。心を入れ替える時が来たんだ。反省したよ。もう他の誰ともしないよ。」 「あのー、サリナは? サリナとなら、3人でもいいよ。」 「おまえ、もしかしてサリナとやったのか?」 「え、先生のお許しが出たって、昨日来ていろいろ教えてもらった。」 「女を知ったんだな。」  ロジは凄く寂しそうな顔をしてベッドルームへ行った。僕に「おいで」とは言わなかった。  僕はソファで眠った。捨てられた仔猫のように丸くなって。  しばらくして、寂しくて 「ロジ、抱っこして。」 ベッドにこっそり潜り込んで、ロジの胸に顔を擦り付けた。 「ミト、ミト、来るのが遅い。おまえが眠るのは私の胸の中だけだよ。待ってたんだよ。  ああ、なんて可愛いんだ。サリナの事は後で考えよう。ミトを離さない。」  ロジは僕を抱きしめて眠っちゃった。僕も眠る事にする。

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