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第24話 ホテルにお泊まり

 この前、そんな話を聞いたばかりだった。今夜はロジとホテルにお泊まりなんだけど、サリナはどうするんだろう。 「格式のあるホテルで、しかもウチはお得意さんなんだよ。お祖父さんが東京ではここにしか泊まらなかったから。  男と二人だろうと、変則3人だろうと私の名前なら絶対に断られないよ。  サリナも呼びたいの? そして見せつけて興奮するのか?  ミトは悪い子だね。」 なんだか嬉しそうにロジは言った。    僕、今日は大人っぽいスーツを着てるんだ。母親が引きこもりの僕に買ってくれたスーツ。成人式のために買ってくれたんだけど、引きこもったまま行かなかった。  でも今着てもピッタリだ。母さんありがとう。 こんな時に着る機会があったね。  講演会の後で簡単な立食パーティーがあった。 そこで、僕は大学関係の方々に紹介された。 「皆さん、私のパートナーです。 この前、母上の承諾を得て、二人きりで結婚しました。五十嵐ミトです。  今までゲイである事は、カム・アウトしていましたが、特定のパートナーを決めずに皆さんにご心配をおかけしました。」  こんな大事な席で僕の事を発表してくれた。 嬉しいけど、サリナも「正式な妻です」なんて言われたいんだろうな。心がチクッとした。  ロジはなんで僕の事をみんなに紹介したがるんだろう。なにか確認したいのか?焦ってるように見える。  何が欲しいの?確かなもの? 愛に保証なんてない事は僕にだってわかる。  ロジをもっともっと愛してあげよう。愛しさが込み上げてくる。早くロジに抱かれたい。

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