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第37話 白浜ベース④
「ねぇ、あたし、泳ぎたくなった。水着持ってないけど。」
「お店にいくつか、コスプレ用のがあるよ。」
フランス人形じゃなかった、琥珀ちゃんが言った。サリナはノリノリで
「じゃ、着替えに行こう。」
しばらくして水着になったサリナを見て、その美しさにみんな絶句している。
コスプレ用の水着はほとんど布が無い。Tバックに,やっと乳房を支えてるだけのブラジャー。
肌にはタトゥーがびっしりだ。辛うじて胸から恥丘の辺りまでは白い肌だ。
フレディやスタッフたちが付いてきて,キャーキャー大騒ぎだ。
「タトゥーがすごく綺麗でエロチック。
サリナ、綺麗だ。
でもこれで海に入ったら脱げちゃうよ。」
僕は心配した。
「撮影用だから、とても泳げるとは思えない布の小ささだし。」
琥珀ちゃんもあまりお勧めではなさそうだ。
「元々、身体が綺麗だから水着いらないね。」
まわりのみんなは、勝手なことを言っている。とにかく綺麗な身体だ。
「めんどくさい、泳いでくるわ。」
サリナは歩いて海に向かった。
タイジたちラッパー仲間もついてくる。観光客も集まって、海岸はちょっとしたパニックだ。
ロジも五月雨を泳ぎに誘った。仲良く肩を抱いてサリナの後に続く。ロジもクニオほどではないが、マッチョだ。メイ先生もなかなかの細マッチョ。二人ともイケメンだからサリナと共に大注目だ。
僕は琥珀ちゃんとお話ししたくてロジの事を忘れていた。
サリナは泳ぎが上手かった。泳ぎ方が綺麗だ。水着が取れそうで取れない。
そこにクニオが現れた。
「え、クニオ、なんでここにいるの?」
「ここ、成田から近いだろ。
今、帰ってきたんだけどさっきサリナにメールしたら、泳ぐっていうから、空港からタクシー飛ばしてきたよ。時差ボケだ。
サリナに会いたくて。」
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