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第39話 白浜ベース⑥
「みんな来るまで、この辺を散歩しよう。」
ロジが僕の手を取って歩き出した。
「『図書館カフェ』だって。」
「入ってみよう。」
一階は広いカフェスペースとドッグランが併設されているようだ。
昼下がりの時間で、わりと空いている。優しそうな男の人が注文を取りに来た。
メニューに結構たくさんの紅茶があった。
「紅茶専門店みたい。」
「この辺りはカフェが多くてコーヒーを出す所がバッティングしちゃうんで、ウチは紅茶を揃えてるんです。何か、お好きなのがあれば。」
ミトが迷っていると
「アイスオレンジティーがお勧めです。
アールグレイを水出しでオレンジジュースもフレッシュを絞っています。
『ベルガモットの甘い囁き』って言う名前です。」
「じゃあ僕それにする。ロジは?」
「同じのを頼もう。君も何か飲みたまえ。」
さっきから心配そうに、キッチンからこちらを見ている男の人が会釈した。
「二人とも好きなものをどうぞ。」
飲み物が出来て二人共こっちにやって来た。
「こんにちは、僕は三郎、調理担当の彼は亮です。二人でここを任されてます。」
ロジはわざとらしく僕にキスする。サブと亮がビックリしている。
ロジにはわかったんだ。二人が愛し合ってる事が。ロジは誰にも隠す気がない僕たちの事を二人に見せつけている。
「私たちはゲイなんだ。この子は私の嫁のミトだよ。
君たちもカップルなんだろう?私にはわかる。
堂々と愛し合おう。」
僕は嬉しかった。ロジ大好き。ロジ、カッコいい。
亮が感動している。
「すごいね。誰にも隠さないでカッコいいな。
僕も見習おう。恥ずかしい事じゃないもんね。」
「サブ可愛い。好きだよ。」
サブと亮、可愛い二人だ。
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