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第48話 ロジの事
僕は今までオナニーする時、女の子をオカズにしなかった。アイドルの写真とか、女性の裸が載っているエロ本とか、見てもあまり欲情しない。僕は、おかしいのかな。
男の子のアイドルも嫌いじゃないけど、ホントは年上が好き。年上のマッチョな男の人。
父親がいないからかな?と思うけど、父親が欲しい訳ではない。
もっとエロティックな存在をいつも妄想していた。だからロジに初めて声をかけられた時,焦った。
(妄想が実態になって目の前に現れた。
ヤバい!夜中だから、僕の妄想が目の前に出てきちゃったのか?)
幽霊でも見てるような気がした。でもこの人は現実の人。次の日も、次の日も、毎晩散歩に出ると会えた。
ついに家に招待された。夢じゃなかった。
ちゃんと普通に生活している大人の人。
家は、男の一人暮らしって感じで、でも書斎とリビング以外はキレイだった。
「週に2回、掃除とか、洗濯とかをしてくれる人が来るんだよ。梅子さんっておばあちゃんだ。
もう私が子供の頃からの付き合いだ。」
それでいつもベッドシーツが清潔なんだ。あとは散らかっている。いかにも男の一人暮らしって感じだ。ロジは結婚してた事もあるって言ってた。
もう二度としたくない、女は懲り懲りだって言ってた。
そしてなんと量子物理学の教授だって。講演会で発表するロジはまた、いつもと違う顔で、カッコいい。
そのロジが、僕を抱いて「愛してる」って言うんだよ。信じられる?
それでいつも不安になるんだ。こんな僕が愛されるなんて。気まぐれなのか?
この魔法が解けたら、また僕はひとりぼっち。
でももうロジのいない生活になんて戻れない。
その時は死のう。ロジに捨てられたら死んでしまおう。この頃はそんな事を考える。
ロジはお稚児さんを囲いたいだけなんだろう。
飽きると捨てられてしまう美少年たち。
サリナが言ってた。飽きっぽいって。今怖いのは飽きられて捨てられること。
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